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藤沢周平ファンの方へ

q171306144qq4さん

2008/9/2120:08:21

藤沢周平ファンの方へ

藤沢周平作品はその殆どが時代小説だと思いますが、歴史小説もいくつか書いてらっしゃいますよね?
おススメの歴史小説を「密謀」以外で教えて下さいませ。
宜しくお願い致します。

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ベストアンサーに選ばれた回答

2008/9/2211:25:51

藤沢周平氏の歴史小説は10作品あります「密謀」以外の9作品

漆の実のみのる国
絶筆に当る作品で連載中から体調を崩され入退院を繰り返しながら平成8年8月に書かれた原稿6枚が最後になりました
最後の6枚が続きがあるような上杉鷹山の改革半ばにして終わるのと機を一にする絶妙な余韻が残る感じになっております

越後を領有していた上杉謙信を祖とする米沢藩上杉15万石も、徳川十代将軍・家治、田沼意次が老中として腕を奮った頃は、ご他聞にもれず借財により藩は疲弊の窮みにあり、若くして藩主の座に着いた上杉治憲も藩財政建て直しの重責を担うことになります
藩を専断していた家老森の処分、七重臣のお家騒動などの史実を踏まえつつ、側近の竹俣当綱、莅戸善政を丹念に描くことにより、上杉治憲の名君、名伯楽ぶりが伝わってきます
惜しむらくは、莅戸政以に受け継がれた改革の行く末を読んでみたいと願うのはないものねだりの欲張りというものでしょうか


市塵
新井白石の半生を描いた作品です。
名前は知っていても、業績となると余り知らなかったりするのですが、”新井白石”もその一人でしょうか
幼少の頃はとばして、甲府・徳川綱豊(家宣)に進講していたころから将軍家の政治顧問に収まって活躍を始めるあたりから始まります。
数々の改革と”シドッチ事件”などを交えて、新井白石の業績と当時としては革新的な考えの下に政治の舵取りをしていたことなどが描かれ、徳川八代将軍・吉宗に代わって表舞台から身を引き、野に下ってからの生活の変遷が描かれます。
悲哀の混じった感じの結末ですが、米大統領の政権交代と同じようにスタッフが入れ替わるわけですから、当然の結末なので読後感は悪くはないです


義民が駆ける
川越・庄内・長岡の三方国替えを描いた作品で、藤沢氏の故郷では多くの言い伝えや資料が残っていたようです。
領地替えを勧める徳川家斉、老中・水野忠邦、大奥などの徳川政権、領地替えの撤回を求めて動く庄内藩・藩主酒井忠器と重臣、現在も本間ゴルフでおなじみの、山形・酒田の豪商・本間辰之助が庄屋・名主・大人などを介して農民(百姓)を纏め上げ三方領地換えにそれぞれの立場で動くさまが非常にリアルに描かれます

単に年貢を絞られる農民がかわいそうだとするような描き方はしておらず。農民ゆえの土地に根を張った生活ぶりと逞しい姿が逆にハッキリと伝わり、それゆえに、川越藩・松平斉典のエゴから始まった徳川の失策と権威・権力の低下が浮かび上がります
恐るべきは本間家の財力か



回天の門
新撰組結成の端緒となった浪士隊を結成したことで知られる”清川八郎”を描いた作品です
新撰組のドラマでは頻繁に登場しておりますので、名前や江戸で後の京都見回り組の佐々木只三郎に暗殺されることなどは知っていることと思いますが、彼が故郷を出て尊皇攘夷に傾倒していく様が丁寧に描かれております


雲奔る 小説・雲井龍雄
あまり、知られていない人かもしれません
米沢藩の俊英が、奥羽列藩としては当然ともいえる薩摩打倒の運動を繰り広げますが、時の情勢に飲まれていく激しい人生は圧巻です
最近、親族からも出版されたので機会があれば読み比べてみるのもいいでしょう


逆賊の旗
表題作品他短編4作
『逆賊の旗』
明智光秀の反逆のその日を描いた。直前の連歌会からの心の変遷に重きを置いた。短編ゆえの非常にまとまりのある秀作です

『上意改まる』
戸沢藩の内紛を描いた作品。「蝉しぐれ」などの藤沢作品に度々描かれる藩の内紛ですが、こちらは郷里の歴史に題材をとったものをなぞらえた作品なので、人々の心のすれ違いが恐ろしくも業の深さを描いた作品ですね

『二人の失踪人』
二人の兄弟による仇討ちの顛末を描いた作品。これも藤沢氏の郷里の資料から取った作品です

『幻にあらず』
”漆の実みのる国”の前日談とも言える短編です
竹綱当綱を中心にすえて藩の改革を目指した頃を中心に描きます


霜の朝
「霜の朝」「報復」「泣く母」「くしゃみ」「密告」「おとくの神」「虹の朝」「禍福」「追われる男」「怠け者」「歳月」の短編
『霜の朝』
豪商・紀伊国屋文左衛門を商売相手の江戸の豪商・奈良屋茂左衛門を描くことにより人となりを浮かび上がらせるという秀逸な作品です


一茶
小林一茶を丹念に描いた作品
およそ2万句読んだといわれる巨匠ですが、農家に生まれた頃より江戸での奉公、日雇い仕事で生計を立てながら俳諧が次第に認められていく様子は非常にリアルです
資料では俳諧で認められるまでは空白の期間がありますが、江戸での方向などの虚実をからめた上手さは『密某』でも存分に発揮された藤沢氏の上手さでしょう


白き瓶 小説・長塚節
正岡子規の弟子。「アララギ」で活躍し「土」小説も残した偉大な作家・歌人の生涯です
幼少の頃から病弱で、病に苦しみながらも旅を続けた中で優れた作品を編んで残していく激しい生涯にやはり感動を覚えると思います。
吉川英治文学賞受賞作品

質問した人からのコメント

2008/9/22 21:42:01

降参 10作品もあったのですね~。ありがとうございます。
しかも、こんなに詳しく丁寧に教えて頂けるなんて・・・。感激です!!!
1冊1冊、大事に読んでいこうと思います。
ありがとうございました!

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