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「痙性麻痺と弛緩性麻痺 ~中心性脊髄障害において」

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質問者

ID非公開さん

2012/5/2115:54:09

「痙性麻痺と弛緩性麻痺 ~中心性脊髄障害において」

ある図書に、中心性脊髄障害はしばしば痙性麻痺が強く現れると記されていました。
しかし、同じ図書内の違うページには、弛緩性麻痺の例も示されていました。

中心性脊髄障害とは、頚椎の過伸展などにより循環障害が生じて中心管が拡大し、その中に外側脊髄視床路が落ちてしまう(反対側の温痛覚障害)・・・というイメージで捉えています。

しかし、痙性麻痺が生じるということは、錐体路の上位運動ニューロンが障害されているということで、
中心管の拡大により外側皮質脊髄路か前皮質脊髄路が障害されると考えてよいのでしょうか?

また、弛緩性麻痺が生じるということは、中心管の拡大により前角細胞が障害(圧迫)されると考えてよいのでしょうか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

編集あり2012/5/2409:38:04

痙性麻痺が生じるということは、錐体路の上位運動ニューロンが障害されているということで、
中心管の拡大により外側皮質脊髄路か前皮質脊髄路が障害されると考えてよいのでしょうか?

半分あっています。

●この、「錐体路」、「上位運動ニューロン」が曲者です。同じ教科書内で意味が変わったりします。
●A運動促進(+)と、B運動抑制(-)と、C脊髄前角の運動促進的自動能(+)の3つが、バランスをとっています。これをバランス理論(*)といいます。
●Aの機能の回路は、皮質脊髄路です。
●Bの機能の回路は、網様体脊髄路です。
●「錐体路」や、「上位ニューロン」は、A+Bのことをさすことも、Aのみをさすこともあります。混乱のもとです。
●麻痺は、AまたはCが障害されることによります。つまり(+)ができないということです。
●痙性は、Bが障害されることによります。つまり(-)ができないということです。
●痙性麻痺は、AとBが同時に障害されたことを指します。
ということは、皮質脊髄路と、網様体脊髄路が同時に障害されていることになります(だから質問内の記述は半分あっています)。
●前皮質脊髄路と網様体脊髄路が同時に障害されるのは、前索の障害と考えると自然です。外側皮質脊髄路は側索にあるので網様体脊髄路からはだいぶ遠いです。
●脊髄にはあまり詳しくないのですが、障害の機序が循環障害であるなら、前脊髄動脈の領域から虚血がすすむと考えられ、虚血に弱い灰白質が脱落するので「中心性」障害となり、同時に確実に虚血のダメージを受ける、前脊髄動脈に近い前索を通る前皮質脊髄路と網様体脊髄路が障害されやすい、と考えられそうです。


また、弛緩性麻痺が生じるということは、中心管の拡大により前角細胞が障害(圧迫)されると考えてよいのでしょうか?

これも半分あっているように思います。

●弛緩性麻痺は、Bの障害がなく、AまたはCの障害があるときに生じます。上記のようにAとBは近い位置関係にあるので、Aのみが単独で障害されることはなく、Cが単独で障害されると考えられます。
●上記の機序から、前脊髄動脈の虚血が原因なら、前角が後角よりもより強く虚血にさらされ、虚血に弱い灰白質であるため、脱落しやすいと想像できます。
●もし中心管が拡大した結果として圧迫や、それにより二次的に循環障害がおこると、前角の脱落が起きそうです。

参考文献: *イラストでわかる 画像診断のための 脳機能モデル 秀潤社 2012
神経局在診断 分光堂 1999

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質問した人からのコメント

2012/5/25 23:05:17

降参 ありがとうございます!! まさか、ここまで丁寧で分かりやすく、かつ詳細に回答頂けるとは想像していませんでした。今までしてきた質問の中でも一番です、驚きました!
また機会あればよろしくお願いします。

ちょい足しを取り消しますが
よろしいですか?

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