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刑法の質問です。事後強盗罪は身分犯ですか?

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質問者

y150mmさん

2011/2/1417:23:33

刑法の質問です。事後強盗罪は身分犯ですか?

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seren802さん

2011/2/1919:20:59

事後強盗罪は、主体が一定の者に限定されていますが、自手犯でも身分犯でもなく、身分犯的擬態の罪であり、強姦罪に類似した性格を持つ罪です。主体は、単独直接正犯の場合には窃盗犯人に限られますが、窃盗犯人でない者が窃盗犯人を利用する間接正犯の場合、および窃盗犯人でない者が窃盗犯人と共同して暴行・脅迫に関与する共同正犯の場合には、窃盗犯人でない者も正犯性を取得し主体となることができます。身分犯と解する見解が有力ですが、事後強盗罪の実行行為は窃盗犯人でない者でもこれを実行できるので、身分犯と解することには賛成できません。主体が原則的に窃盗犯人に限られるのは、本罪の前提行為から生ずる限定であるに過ぎず、本罪の実行行為の主体に対する法律的限定ではないから、身分犯ではありません。窃盗犯人でない者が窃盗犯人に加担して暴行・脅迫を加えた場合には、事後強盗罪の共同正犯が成立します。窃盗犯人自身が暴行・脅迫をしないで、現場共謀の加担者が暴行・脅迫をした場合も、同様です。
強盗致死傷罪・強盗殺傷罪(240条)、強盗強姦罪・強盗強姦致死罪(241条)も身分犯的擬態の罪です。

身分犯は、行為主体が一定の身分を有する者に限定されている罪です。ここにいう「行為」とは、実行行為のことであって、実行行為以外の行為はこれに含まれません。
事後強盗罪の実行行為は、238条所定の目的で暴行・脅迫をすることです。窃盗は、本罪の実行行為に含まれず、本罪の前提行為に過ぎません。ここにいう「前提行為」とは、ある罪の成否が問題とされるための前提要件となるべき行為であって、その罪の実行行為に属さないものをいいます。事後強盗罪においては、「窃盗に着手したこと」が前提要件とされます。

強姦罪における男性や事後強盗罪における窃盗犯人は、一定の身分を有する者ではなく、一定の者です。一定の者は、犯罪の成立には必要であり、特に単独直接正犯の場合には主体がその者に限られますが、一定の者以外の者も間接正犯および共同正犯の場合には主体となり得ます。
強姦罪の手段としての暴行・脅迫は女性でもこれを分担実行できるので、その場合、男性は姦淫を行えば足ります。強姦罪は男性による全部実行を要せず、分担実行者も行為主体として評価されます。それが60条の趣旨です。
事後強盗罪の実行行為は窃盗犯人でない者でもこれを全部実行できるので、その場合、窃盗犯人は本罪の前提行為である窃盗を行っていれば足ります。共謀にとどまった窃盗犯人も共謀共同正犯とされるので、事後強盗罪の共同正犯が成立することに異論はありません。窃盗犯人でない者も行為主体となり得る以上、事後強盗罪は身分犯ではありませんし、よって、真正身分犯でも不真正身分犯でも複合的身分犯でもありません。

身分犯説は採用できません。
行為の主体に対する限定は法律的限定でなければなりませんが、その判断には実質的な判断を要します。刑法は、「一人の者が、一罪を、既遂に至る」ことを前提として、各罪を規定しています。本罪も同様です。実質的に判断すれば、主体が窃盗犯人に限られるのは単独直接正犯の場合だけに過ぎず、間接正犯や共同正犯の場合は窃盗犯人でない者も主体となり得ます。身分犯であるか否かは単独直接正犯の場合だけをもって決定するのではありません。間接正犯や共同正犯も正犯、すなわち実行行為を行った者であるからです。
身分犯説は「窃盗が」の「が」だけに着目する見解ですが、238条は「窃盗」をより重い「強盗」へと転化させる規定であり、窃盗犯人でない者を容赦するための規定ではありません。
「窃盗」に着手した状態が身分とされるので、強盗予備罪が事後強盗の目的の場合にも成立することの説明ができません。身分犯においては、身分者の行う準備行為が予備行為として観念されるのであって、未だ窃盗罪の実行行為を開始しない段階においてその予備行為を認めることはできません。
身分犯でない以上、65条を適用することはできません。

真正身分犯説は採用できません。
真正身分犯であれば、非身分者の同一行為はいかなる犯罪も構成しないはずですが、窃盗犯人でない者の同一行為は当然に暴行罪・脅迫罪を構成するので、真正身分犯ではありません。
真正身分犯でない以上、65条1項を適用することはできません。

不真正身分犯説は採用できません。
不真正身分犯であれば、通常の犯罪と身分以外の構成要件要素が同じであり、法条比較において特別関係が認められるはずですが、事後強盗罪は、暴行罪・脅迫罪と異なり、238条所定の目的を要し、暴行・脅迫も反抗抑圧の程度であることを要し、法条比較においても特別関係は認められず、認められるのはむしろ吸収関係です。
不真正身分犯でない以上、65条2項を適用することはできません。

複合的身分犯説は採用できません。
目的や窃盗の既遂・未遂によって身分犯を区別する理由はありません。

質問した人からのコメント

2011/2/19 22:42:06

成功 回答ありがとうございます。身分犯であるか否かは、実行行為で判断するべきであり、行為客体(強姦罪)や前提行為(事後強盗罪)で判断するべきではありませんね。「窃盗が」の「が」だけに着目して、窃盗犯人でない者を容赦するような解釈では、世間一般の支持を獲得できないでしょうし、本来的には事後強盗罪として罰することができないということですから、65条を適用すればよいという話ではないですね。

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ayumu122333さん

2011/2/1618:52:55

裁判例は身分犯だと考えているようですね。
(真正か不真正かの違いはありますが)

学説では、身分犯だと考える説も結合犯
だと考える説もありますので、どちらが正しいとか
言うのはないと思います。

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masayuki8973さん

2011/2/1418:51:51

「窃盗」(犯人)という身分に着目して身分犯だというのが通説です。
しかし,真正身分犯なのか不真正身分犯なのかは争いがあります。

ちょい足しを取り消しますが
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daitendaitenさん

2011/2/1417:34:41

そう理解する学説が多数説ですね。

ちょい足しを取り消しますが
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