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ドストエフスキー「悪霊」の主人公「ニコライ・スターヴローギン」の評価をお願い...
ドストエフスキー「悪霊」の主人公「ニコライ・スターヴローギン」の評価をお願いします。
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- 質問日時:
- 2007/10/2 21:21:16
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- 解決日時:
- 2007/10/3 22:19:56
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- 回答数:
- 1
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- 閲覧数:
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ベストアンサーに選ばれた回答
「悪霊」をいまさら再読するのも煩わしいので、私の覚えている範囲でお答えします。
なにしろドストエフスキィに夢中になったのは、私の20代半ばくらいまでのことですから、今から30年余も前のことになります。
従って記憶に曖昧なところがあり、もし間違っているようなところがあれば、ご容赦下され。
ドストエフスキィと同時代の小説家ツルゲーネフは、彼の主著「父と子」の中で、ニヒリスト(虚無主義者)いうそれまでにない全く新しいタイプの人物を登場させました。
そして、それが19世紀という時代的風潮とあいまって評判となった。
ドストエフスキィとツルゲーネフは仲が悪い。現に、「悪霊」の中でもツルゲーネフらしき人物を登場させ、ぼろくそにけなしています。
よしそれならと、ツルゲーネフに対抗して生みだしたのが、ニヒリストの中のニヒリスト、悪の根源として登場させたニコライ・スター・ヴローギンなのです。
ドストエフスキィは20代のころ政治活動に参加し、謀反の罪でシベリア流刑をくらっています。
その地でつごう6年間過ごし、そのうち4年間囚人達と共に暮らしています。
その間の経緯をもとに書かれたのが「死の家の記録」です。
それを読めばわかるが、ドストエフスキィは鋭い洞察眼でもって囚人達を観察しています。
人間の暗部に深く食い入った観察眼。
それが、「悪霊」の中にもいかんなく発揮されているのです。
人間のうちにひそむ悪とは何か。
もし虚無のうちに悪がひそむとすれば、その悪とはいかなるものか。
スターヴローギンにそれを探っていきましょう。
「悪霊」は、そのころ摘発された反政府活動を参考にして描かれ、物語は展開していきます。
スターヴローギンは裕福な貴族の家庭に産まれ、母によって育てられ、やがて成長し郷里を離れて学生時代を過ごし、そして学業を終えて郷里に帰ってくるところから、彼は登場します。
彼は、ずば抜けてハンサムで聡明です。しかも肉体的にも恵まれている。
彼は郷里でみなの注目を浴び、しだいにみなから慕われるようになり、友も集ってくるようになります。
そして、やがて恋愛や反政府活動に巻き込まれていくこととなる。
そういった物語の展開は日本的に言うなら、いわゆる通俗的大衆小説を読んでいるようで面白い。
さて、ドストエフスキィはスターヴローギンにひそむ悪をどのように描いているか。
ある夜、母親が彼の室を訪ねます。ドアをノックしても返事がないので室に入ると、彼は椅子に座ったまま眠っているのです。
しかも、目を開けたまま。それを見た母親は思わずゾッとして後ずさりし室を出て行きます。
また、ドストエフスキィはスターヴローギンを評して、「彼は、信じないばかりか、自分が信じないということすら信じていない」という言葉で表現しています。
彼には、意志や熱情が欠落しているのです。従って、彼の吐く言葉には責任がない。いい加減で出まかせなにすぎません。
彼の精神は、さながら蜘蛛の巣が張った虚無と変わらない。
善を支える「熱きもの」が根底から奪われている。
スターヴローギンを評価するとは「悪」を評価すると同じで、ドストエフスキィは「悪」をそのようにみなしていたと言うことでしょう。
- 回答日時:2007/10/3 22:11:19
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