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旧日本軍機の星型エンジン

nfamaproさん

旧日本軍機の星型エンジン

旧日本軍機のエンジン形態は圧倒的に星型空冷式が多いようですが、この理由は何でしょうか。
同時期の欧州機は逆に液冷式が多いような気がします。
さらに米軍機はどちらのタイプも平均的に存在したようね気もします。
これらはどのような事情からでしょうか。

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nmurasさん

1920年代から1930年代にかけては、いろいろな理由で液冷エンジンのほうが有利だと考えられていました。
ですから先進的なヨーロッパのエンジンメーカーは液冷の研究を進めています。
ヨーロッパの航空機は軍用機やスポーツ機のような、コストにあまりうるさくない用途が主流でしたから、製造費も維持費も高く付きがちな液冷エンジンでも良かったというのも事実でしょう。

これに対してアメリカは、民間の航空輸送というコストにうるさい大口顧客がいましたから、製造も維持も安くしやすい空冷エンジンが主流になります。
民間輸送なら、多少の性能よりは信頼性が大事ですから、空冷のほうが有利だったんでしょう。
また当初は、アメリカのエンジン技術はやや遅れを取っていた側面がありましたから、先進的な液冷ではヨーロッパ・メーカーと勝負しにくかったという事情もあるかもしれません。(大量生産技術はダントツですけどね)
もちろん性能最優先の軍は、自国メーカーの液冷エンジンの遅れに不安を持っていたようで、陸軍は積極的に液冷エンジンに投資します。
アメリカ陸軍の戦闘機に液冷が多いのは、液冷メーカーを育てる目的もあったようです。
無理を言って作らせた以上、使う義務がありますし、戦闘機くらいしか使い道が無いのも事実ですし。

アメリカ海軍の空母艦載機が空冷ばっかりなのには複数の原因があるようですが、海軍自身は液冷を嫌う理由として「冷却水という余分な補給物資を空母に積みたくない」、「冷却水に混ぜるアルコールなどは危険物なのでさらに積みたくない」、「エンジンの信頼性や耐久性が重要(海の上でエンジン止まったらパイロットは高確率で死ぬ)」などと言っています。
それでも液冷機の研究は進めてたみたいですが。

日本には先進的な航空エンジンを一から自主開発をするような技術力はありませんので、基本的に外国から原型を買ってきてライセンス生産するか、応用型を自主開発することになります。
ですから液冷も空冷もあります。(自分で開発しなくても、買えばすむ話なので)
しかしメーカーは技術的にやや簡単で、何より安い空冷を好む傾向があったようです。
実際にエンジンの最大メーカーの三菱は、軍の希望を無視して、液冷を途中で見限ってしまいます。
結果的に液冷エンジンは軍が強力にプッシュしたDB系だけ(それも量産力の無い小メーカー)になり、二大エンジン・メーカーの三菱と中島が空冷星型しか作らないので、日本機は空冷エンジンばかりになります。(液冷エンジンが無いので、機体側に選択肢は無い

もう一つ、液冷が有利とされていた幾つかの理論(あるいは予測)が1930年代後半に破られるんですね。
とくに18気筒空冷星型エンジンは、当時12気筒止まりだった液冷に較べて馬力で圧倒できましたから、日本陸海軍やアメリカ海軍は「空冷でもいける!」という実感を強く持ったようです。
ですから、以前ほど液冷にこだわる必要がなくなったのも、これらの軍で液冷が増えない理由の一つでしょう。
液冷H型24気筒なんてバケモノが成功すれば液冷が増えたのかもしれませんが、この手のバケモノエンジンはことごとく失敗しましたし。

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  • 編集日時:2008/5/14 00:30:03
  • 回答日時:2008/5/13 17:46:31

質問した人からのコメント

  • 成功詳細な解説、ありがとうございます。それぞれのエンジンの採用に至った経緯など勉強になりました。 他の方々もありがとうございました。
  • コメント日時:2008/5/18 11:26:35

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szidama84さん

ほとんど回答がでていますが、ひとつ付けたしを。
液冷式はラジエータがいかれたり、撃ち抜かれたら終わりなので
洋上を飛行する日海軍や米海軍は、空冷式が前提だったようです。
(欧州は大陸での戦闘なので、故障しても着陸できる。)

ngc1499さん

日本では液冷エンジンの安定した生産が出来なかったってことです
空冷エンジンより構造が複雑な液冷エンジンの生産は試みられてますし、ダイムラーベンツのエンジンを輸入し
(しかも陸軍・海軍別々に契約というドイツの上得意様でした)ライセンス生産を命じてます。
結果として、愛知の彗星とか、川崎の三式戦などが完成してますがエンジンの完成度が悪くて首無しの機体が
ごろごろと出る始末。

そのために空冷星型エンジンに換装した彗星33型や五式戦が登場してます。

液冷エンジンが多く採用されるのは、前面の投影面積が小さくなる=空気抵抗の減少につながります。
抵抗が少なければより高速が出せるので戦闘機はどうしても液冷エンジンを採用する方向に傾くんです。

液冷エンジンがコンスタントに開発・生産可能だった欧州ではFw190やP-47のような空冷エンジン機
のほうが少数派になるんです。


米海軍において、艦載機のエンジンが空冷である理由は浅学にして知りません。

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