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液状化問題でよく耳にするサイクリックモビリティとは、どのような現象でしょうか?

do_ob_9999さん

2010/5/116:55:52

液状化問題でよく耳にするサイクリックモビリティとは、どのような現象でしょうか?

繰返し載荷時のダイレイタンシー挙動という大雑把なイメージを持っているのですが、正直、詳しいことが分かりません。
どなたかご存知の方、分かりやすくご指導頂けないでしょうか。

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ベストアンサーに選ばれた回答

sorakuro555さん

編集あり2010/5/715:45:59

サイクリックモビリティーとは単的に表現すると、「砂などが非排水条件の下で繰返しせん断を受け、負のダイレイタンシーが卓越することで有効応力がゼロに近い状態になると、特にせん断歪み量が大きくなり、土を構成する土粒子同士が互いに乗り上げる挙動を示すことで正のダイレイタンシーが発生するとともに土の骨格構造が新たに形成され剛性を回復する現象」となるかと思います。

私はこれを以下のように考えています。

対象土は、イメージし易い“砂質土”で考えます。

まずゆるい状態の土を“排水条件”で繰返しせん断を行う場合、繰返し回数が増すにつれて供試体の密度は高くなっていきます。
つまり圧縮(負のダイレイタンシーを生じる)していきます。

次に“非排水条件”で繰返しせん断を行うと、定体積条件ですので体積は収縮できないため、代わりに間隙水圧が上昇していきます。したがって、有効応力は減少していくことになります。
このとき、加えられるせん断応力τと土粒子間の有効応力σ’との比(応力比τ/σ')は上昇していきます。
つまり、土がせん断サイクルの増加にともなって、破壊に近づいていくことを意味しています。

繰返し回数 ⇒ 増加
有効応力σ’⇒ 減少
応力比(τ/σ’)⇒ 上昇
せん断歪みγ⇒増加

応力比が上昇していくと土自身のせん断に抵抗する力が次第に失われるので、繰返しサイクルが増して有効応力σ’が小さくなれば、同じせん断応力τに対するせん断歪み量が増加します。
ついに有効応力σ’がほぼゼロに近い状態に達したとき(すなわち応力比が破壊線に近づいたとき)、土の骨格構造はその大部分が失われ“液体のような状態(完全に土の骨格構造が失われる訳ではありません)”を呈することになります。
特に地盤工学会では、過剰間隙水圧が初期有効拘束圧の95%になったとき(有効応力が当初の5%になったとき)を“初期液状化”と定義しています。

特に、一時的に液体状になった土は、加えられるせん断応力τの下で大きなせん断歪みを生じることになります。
せん断歪みが大きく発生すると、土粒子が互いに乗り上げるような挙動を示すようになり、一度失われた土の骨格構造が新しく形成されます。このとき、土粒子同士の乗り上げにともない体積が膨張側(つまり正のダイレイタンシー)を示し有効応力が回復する(剛性が回復する)ことにより応力比が低下し、せん断応力τ~有効応力σ’関係は破壊線に沿いながらもせん断応力τを発揮すると考えられます。
各繰返しサイクルで得られる応力経路上における、土が負のダイレイタンシーから正のダイレイタンシーに移行(有効応力が減少から増加に移行)する際の応力点を結んだものが変相線と呼ばれるものです。

以上、「有効応力が低下する過程(液状化に近づく過程)において剛性が回復する現象を“サイクリックモビリティー”と呼びます。」

一旦、初期液状化の状態になった土は、非常に不安定な状態にあり、外力等の状態が少し変化するだけで土の骨格構造が容易に変化します。
したがって、一旦、剛性が回復した後に、せん断応力を除荷すると収縮側(負のダイレイタンシー)を示し、また破壊線に近づいて行きます。そして、液体状を呈して大きなせん断歪みを生じ、膨張側(正のダイレイタンシー)を示して剛性が回復します。
このように、液体状と剛性の回復を繰り返すことになります。

対象とする土の初期密度が大きい密な地盤であれば、“初期液状化”の状態から剛性が回復する時期も早く、また回復するまでに要するせん断歪み量も小さいので、実際の地震時では大きな変形が生じ難く被害も少なくなります。
一方、初期密度が小さいゆるい地盤では、剛性が回復するまでのせん断歪み量が大きくなりますので、被害が大きくなると考えられます。

質問した人からのコメント

2010/5/7 18:21:48

降参 ご指導頂きありがとうございました。
丁寧な解説でしたので、非常にわかりやすかったです。

ちょい足しを取り消しますが
よろしいですか?

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