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中性子線を水で遮蔽した際に、中性子はどこにいくのでしょうか?

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質問者

xyz2xyz1さん

2011/3/823:53:51

中性子線を水で遮蔽した際に、中性子はどこにいくのでしょうか?

中性子爆弾は、核爆弾の中でも熱エネルギーの放出を抑えてその分外部に中性子を出す殺傷兵器だと思います。
中性子線は透過力が強く質量が重い鉛なども貫通するらしいですが、なぜ水に吸収されてしまうのでしょうか?
水の中の水素が吸収して重水になるからでしょうか?であれば原子力発電で毒物質と言われているものは
中性子の吸収剤となるのでしょうか?

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riewseygoさん

2011/3/903:09:53

水で遮断された中性子は、一部酸素原子核および水素原子核(陽子)と非弾性反応し、残りは酸素原子核と水素原子核(陽子)と弾性散乱を繰り返し、最終的にベータ崩壊するか陽子に捕獲されて重水素原子核となります。

酸素原子核と陽子や不純物原子との非弾性反応の確率は小さいので、ほとんどは弾性散乱を繰り返しながらベータ崩壊します。水が中性子遮断の効果が大きいのは、弾性散乱の繰り返しで急速にエネルギーを失い、あまり遠くまで飛ばない、つまり浸透が他の物質に比べて小さいからです。

エネルギーを急速に失うのは水分子が水素原子核の陽子を豊富に含み、陽子との弾性散乱でエネルギーを失う割合が大きいからです。
弾性散乱はビリヤードやおはじきやビー玉のように衝突前後で壊れたり分解したりしないものを言います。水中では、
酸素原子核 + 中性子 → 酸素原子核 + 中性子
陽子 + 中性子 → 陽子 + 中性子
という散乱です。

基礎的な運動学の運動量保存則とエネルギー保存則から、重いものと軽いものの衝突では、重いものの速度があまり変化せず、軽いもの同士では運動量が分配されて速度が大きく変化します。
酸素原子核に中性子がぶつかっても、酸素原子核の質量は中性子の約16倍あるため跳ね返された中性子の速度はあまり変化しませんが、陽子にぶつかると陽子と中性子の質量はほとんど同じなので、中性子はほとんど静止状態になるものからあまり変わらないものまで大きく変化します。

このようにして軽い原子核との衝突を繰り返せば急速にエネルギー(速度)を失い、またブラウン運動のように四方に散乱しますから入射方向への浸透は小さくなるわけです。例えば核分裂などで発生する中性子はほとんど水の中では10cmほどの範囲の中に留まります。陽子との衝突を平均的に18回ほど繰り返せば熱中性子と呼ばれる、常温の熱運動と同じ程度の速度に落ちますが、グラファイトなどの中の炭素原子との衝突では平均的に110回以上繰り返さないと熱中性子になりません。その分余計に浸透するわけです。

中性子の吸収材と呼ばれるものには二通りの意味があって、ひとつは水やプラスチックのように陽子をたくさん含み中性子の速度を落とすことで浸透力を落とすもの、もう一つは中性子を原子核に吸収する原子核反応によって自由な中性子を無くすものです。後者にはホウ素やハフニウムなどがあります。

それぞれ用途によって使い分けられます。前者は中性子の速度を落としますが中性子が崩壊するまでは熱中性子として生き残るので、熱中性子と反応して核分裂してしまうウラン235に対する遮断には向きませんが、浸透性は落ちるので反応の数の制御に用いられるなどします。安価な場合は総合的な遮断材料として用いられます。

原子炉における毒物質とは原子炉の核反応をスムースに制御するための阻害要因となるような物質を指します。たとえば核分裂反応で生成するキセノンの同位体の中には熱中性子吸収能力の大きなものがあり、熱中性子を減らしてしまうので制御を難しくし、また一旦原子炉を停止してからの再立ち上げを難しくしたりします。

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