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R26Rマウス

maximum_heartsさん

2012/4/2012:51:24

R26Rマウス

R26Rマウスとはなんでしょうか。現在、トランスジェニックマウスに関する論文を読んでいますが、知識がないので困っています。同時にfloxやEn1creについても教えて頂ければと思います。

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ベストアンサーに選ばれた回答

rosen_weinさん

編集あり2012/4/2210:30:57

マウスにおけるfloxとcreのシステムはconditional knockout mouseを作るためのシステムです。

まずfloxとはflanked loxpのことで、あるDNA配列が両側からloxpとloxpに挟まれていることを示します(両側とは5’側と3’側ということです, loxpというのは細菌由来のあるDNA配列のことで後述するCreが認識する配列です)。たとえばIKKaという遺伝子を例にとりましょう。IKKa floxマウスというのは、IKKaのどこかのエキソンがloxpとloxpに挟まれているということになります。このマウスはKOマウス作成の要領で作りますから、このマウスの全ての細胞におけるIKKa遺伝子がloxpとloxpに挟まれています。
Creというのは酵素です。CreはLoxpとLoxpを認識してLoxpで挟まれたDNA配列を切り出してしまいます。Creはある遺伝子のプロモータ下に発現するように設計されます。たとえばCD4-CreマウスはCD4遺伝子のプロモータ下にCre酵素が発現するように設計されており、このマウスではCD4陽性細胞にのみCre酵素が発現するわけです。
よってIKKa floxマウスとCD4 Creマウスを掛け合わせることによって、CD4陽性細胞にだけ発現したCreがCD4陽性細胞のIKKaのエキソンを切り出してしまって、CD4陽性細胞特異的にIKKaがノックアウトされるわけです。このようにコンディショナルノックアウトマウスを作るには、何らかのFloxマウスと何らかのCreマウスを掛け合わせる必要があります。

ここでR26Rにようやくたどりつきます。R26RはRosa26 reporterマウスということです。Rosa26という遺伝子がありますが、働きはよく分からず、この遺伝子をいじっても生存や妊娠には影響が無いことが分かっています。そこで、Rosa26のプロモータ下にYFPの蛋白が発現するように遺伝子を設計し、そのYFP遺伝子の上流にストップ配列を配置することで通常はYFPが発現しないようにしてあります。ストップ配列を含むDNA配列はLoxpとLoxpに挟まれていて、Cre酵素が発現している細胞ではSTOP配列が取り除かれてYFPが発現し、蛍光を検出できるという仕組みです。R26Rマウスは上記のFloxマウスになりますので、どのCreマウスと掛け合わせるかでどの細胞に蛍光を検出したいか自分で決めることが出来ます。En1という遺伝子はホメオボックスファミリーの遺伝子ですから発生において発現する遺伝子ではないですか?En1のCreを使っている理由はその論文の方に詳しいと思います。もしR26RとEn1 Creを掛け合わせているなら、En1を発現する細胞にのみCreが発現しRosa26遺伝子内のLoxpで挟まれたSTOP配列を切り出し、STOPの下流に位置していたYFPの発現が起こり、蛍光を発する、ということです。ですのでマウスのIn vivoでEn1陽性細胞を蛍光で追跡したい、ということですね。

質問した人からのコメント

2012/4/27 11:59:53

大変わかりやすい説明ありがとうございました。

ちょい足しを取り消しますが
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