質問者様と同様の意見は多数出ていまして，特に性犯罪やわいせつ事犯の被害に遭われた方は，被告人（犯人）に自分の個人情報を知られたくないと思われるのは当然のことだと思います。 しかし，残念ながら，現在の司法手続きでは，完全に被害者の方の情報を被告人側に隠すということは非常に難しくなっています。 理由は，先の方も書いてあるとおり，被告人が防御（裁判での自分の弁護）のために事件を特定する必要があり，そのため，裁判所も被害者の方の名前を起訴状に記載するようにとのスタンスを取っています。 最近の事例で，「いついつ，〇〇という店で盗撮の被害に遭った女性」等と記載して，被害者が特定されると裁判所が判断した事例や，逆にそれでは被害者が特定されないとして検察官に被害者の氏名を記載するように求める事例が起きるなど，法律等でどのようにして被害者を特定すると明確に決められていないため，その裁判を担当する裁判官の判断が分かれてしまっているのが現状です。 少し質問の趣旨から外れた回答が長くなってしまいましたが，名前の公表については，法廷では被害者の個人情報に関する事項を読みあげなかったり，裁判所に提出する証拠書類の個人情報を隠すように検察官に依頼することができます。 ですので，その制度を利用すれば，例え記者の方やいわゆる法廷マニアの方，被告人側の人間等が裁判を傍聴に来たとしても，被害者に関する情報が知られることはありません。 補足 初犯で略式裁判となるということであれば，おそらくご質問の件では強制わいせつで起訴されず，〇〇県迷惑防止条例違反等で起訴されるものと思いますが，であれば，裁判所に提出される証拠書類等の被害者様の住所や生年月日は隠されているので，氏名まで記載しないという取り扱いは非常に難しいでしょう。 もし被害者様がどうしても名前が出るのであれば起訴してもらいたくないということであれば，この被疑者（犯人）が起訴猶予処分となってしまい，仮にまた同じことをしたとき，再び正式裁判で懲役刑とならず略式で罰金の処分となってしまう可能性がありますので，勇気を持って検察に協力してあげてほしいと思います。