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鎌倉時代の「開発領主・領家・本家」の関係および「地頭に任じられた武士」たちの...

kyo********さん

2014/11/2819:59:39

鎌倉時代の「開発領主・領家・本家」の関係および「地頭に任じられた武士」たちの領土の『保全・維持・獲得・喪失』に関する質問です。

高校レベルの教科書の説明だと、
開発領主が、中級貴族に「自力で開墾した大事な土地」を寄進する。ただし、中級貴族には名義上の所有者になってもらうだけで、開発領主は預職や下司職などの名義上の「管理人」となり、事実上の土地所有者であり続ける。
中級貴族は、摂関家や皇族 (上皇や女院など) にさらに土地を寄進する。
この場合、中級貴族を領家、摂関家や皇族を本家と呼ぶ。

開発領主は、一応は「事実上の土地の所有者」であり続けることができるが、「名義上の土地所有者」であるはずの領家や本家の意向で、簡単に預所職や下司職を変更されてしまう = 土地を奪われてしまうことがあったため、「開発領主 = 武士」たちは、領家や本家など中央の貴族・皇族たちを怖れていた、というように説明されていました。

そうすると、鎌倉政権が成立した時に、すでに預所職や下司職を務めていた武士たち = 「本来、彼らの先祖たちが開墾してきた土地の、事実上の所有者たち」が「地頭」に任命されていたということは、 それ以降は、先祖代々受け継いできた領地の所有権の保障・新領土の下賜・領土の剥奪などは、「地頭」という「名義上の土地管理人の地位」の『移動』によって実施されたのであって、領家や本家がその地位を奪われることはなかった、と解釈してよいでしょうか?

具体例を挙げると、

本家 (後鳥羽上皇) → 領家 (藤原某) → 地頭 (山田庄の山田太郎)
本家 (鷹司某) → 領家 (藤原某) → 地頭 (川上庄の川上次郎)

というように、山田庄と川上庄において上記のような関係が成立していたとして、山田太郎が鎌倉政権に謀反を企て、川上次郎がこれを追討するという手柄を立てたとします。
この時、鎌倉殿から川上次郎に対して「川上次郎を、新たに山田庄の地頭に任じる」という『恩賞』が下されたとしても、領家や本家の地位は不動という解釈でよいでしょうか?
川上次郎は、山田太郎の代わりに、これまで山田が納めていただけの年貢を領家・本家に納めなければいけない、ということでしょうか?

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ten********さん

2014/12/222:28:47

あくまでも私見ですが、確かに、荘園の「本家」や「領家」が地頭によって名目上の地位を奪われることはなかったでしょうが、実体を奪われて有名無実と化してしまうことは十分あり得たと思われます。
預所、下司、公文などの荘官としての地位は、本家や領家の意向によって解任され得るものですが、地頭としての地位の解任権は幕府のみが有していました。(後鳥羽院が愛妾・亀菊の所領である長江・倉橋両荘の地頭解任を幕府に要請した際にも、幕府はこれを拒否しています)
したがって、荘官が地頭としての地位も併せ持っている場合、その荘官が年貢の滞納・横領を行ったことを理由に、本家や領家が荘官を解任しても、幕府から解任されない限り地頭としての地位を有し続けることになりますから、地頭が幕府の権威を恃んで本家や領家を蔑ろにしていったことは想像に難くありません。(一応、幕府は御成敗式目第5条によって、地頭が年貢を横領することを禁じてはいましたが)
また、地頭によって本家や領家が地位そのものを簒奪されることはないとはいえ、幕府は謀反人に対する所領没収刑である「没官」(もっかん)を行う権限を有していました。
この没官は、本来朝廷が律令の規定によって行う刑罰でしたが、治承・寿永の乱(源平合戦)の際、源頼朝とその御家人たちが、反乱軍の位置づけであった段階から敵対勢力である平家方に対して勝手に没官を行い、その後、朝廷が当該行為を追認するに至ったので、幕府が独自に没官を行う権限を有するに至り、承久の乱(変)の戦後処理として、幕府は謀反人と看做した皇族、貴族、武士などから、3000ケ所にも及ぶ所領を没収していますので、幕府から謀反人のレッテルを貼られれば、本家や領家といえども不動ではいられなかったです。
また、西国では、承久の乱で幕府方に付いた地頭が、上皇方に付いた荘官が支配していた他の荘園を勝手に没官し、幕府から当該地の地頭に任命してもらう形で没官を追認してもらうというようなことも行われましたが、このような荘園においては、仮に本家や領家が変わらなくても、上述のように、地頭が本家や領家を蔑ろにして荘園を私物化し、年貢を我が物としてしまっても、本家や領家は幕府を恐れて有効な対抗策は採り得なかったでしょう。
したがって、ご質問文面に書かれているような例においても、本家や領家は、謀反人を出した引け目があり、一方、新任の地頭は幕府の権威を恃むこともできますから、川上次郎が山田太郎と同じ年貢を納めなくても、本家や領家は泣寝入せざるを得ない可能性が高かったでしょう、

質問した人からのコメント

2014/12/3 20:13:43

降参 たいへん詳細なご回答、ありがとうございました。

遠い昔の高校の教科書にも「平家没官領・本補率地頭・新補率地頭」などの歴史用語がありました。

本家や領家の地位が変わらずとも、彼らが新しく着任した地頭に土地を奪われる。
本家や領家自身も、「謀反人をだした引け目がある」から、土地の浸食にも泣き寝入りする、というのは、とても理解しやすかったです。

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