自分の相談なのに「ご相談」って正しいですか?
自分の相談なのに「ご相談」って正しいですか? 「ご相談があります。」「ご相談させてください。」等 自分の相談に「ご」を付ける人をよく見かけます。 私は「ご相談をお待ちしています。」等、 相手(目上)の相談の場合に「ご」を付けると認識していたのですが 最近あまりに多く見かけるので、わからなくなってきました。 詳しい方、教えてください。
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次は以前、ご回答申し上げたものです。敬語についてはいろいろな意見がありますが、 国の定めた指針(「敬語の指針」文化審議会答申 下記URL)によれば、次のように なります。(国のいうことがすべて正しいとは思いませんが、一応、公的な基準なので 参考にはなると思います。) 「お」や「ご(御)」がついた敬語が尊敬語とは限りません。 謙譲語や美化語、まれに丁寧語にもなります。 例「先生からのお手紙。」「先生のご説明をうかがう。」…尊敬語。 例「先生へのお手紙。」「私がご説明します。」…謙譲語 例「お茶でも飲もうかな。」「友人のお誕生日。」…美化語 例「お暑いですね。」…丁寧語 謙譲語の場合、「お/ご~する(申し上げる/いたす)」という一般形があります。 「~」には動詞の連用形、あるいは動作性の名詞(向かう先のあるもの)が入ります。 「ご相談させてください。」は、その一般形の「~」に「相談」を入れ、それに「ください」 を付けたものであり、全く問題ありません。 また向かう先のある名詞、例えば「手紙・電話・連絡・説明」なども、接頭語「お/ご」を 付けて謙譲語としても用いられます。これらは同じ語形で尊敬語にも謙譲語にもなるので 注意が必要です。(すべての名詞ではありません。詳細は下記) よって、ご質問の「ご相談を~」も正しい敬語です。 ただ、向かう先(相談する相手)がはっきりせず、単に自分が相談したいことがあるとき にそれを「ご相談」というのは、ふさわしくありません。あくまで動作性の謙譲語「お/ご~」 は向かう先がある場合に限り使われます。 「敬語の指針」(平成19年2月2日 文化審議会答申 全文は下記URL)から、 この問題に関連したところをコピーして下に貼っておきます。参考になさってください。 ●次は15~16ページから● >【解説2:<向かう先>について】 例えば「先生にお届けする」「先生を御案内する」などの「先生」は<向かう先> であるが,このほか「先生の荷物を持つ」「先生のために皿に料理を取る」という意 味で「お持ちする」「お取りする」と述べるような場合の「先生」についても,ここ でいう<向かう先>である。(例:「あ,先生,そのかばん,私がお持ちします。」「先 生,お料理,お取りしましょう。」) 【解説3:名詞の謙譲語Ⅰ】 「先生へのお手紙」「先生への御説明」のように,名詞についても,<向かう先> を立てる謙譲語Ⅰがある。 (注) ただし,「先生からのお手紙」「先生からの御説明」の場合は,<行為者> を立てる尊敬語である。このように,同じ形で,尊敬語としても謙譲語Ⅰとしても 使われるものがある。< ●次は39ページから● >【16】自分のことに「お」や「御」を付けてはいけないと習ったような気がする が,「お待ちしています」や「御説明をしたいのですが」などと言うときに, 自分の動作なのに,「お」や「御」を付けるのは,おかしくないのだろうか。 これは,どう考えれば良いのだろうか。 【解説】自分側の動作やものごとなどにも,「お」や「御」を付けることはある。自分の 動作やものごとでも,それが<向かう先>を立てる場合であれば,謙譲語Ⅰとして, 「(先生を)お待ちする。」「(山田さんに)御説明をしたい。」など,「お」や「御」を 付けることには全く問題がない。また「私のお菓子」など,美化語として用いる場合 もある。 「お」や「御」を自分のことに付けてはいけないのは,例えば,「私のお考え」「私 の御旅行」など,自分側の動作やものごとを立ててしまう場合である。この場合は, 結果として,自分側に尊敬語を用いてしまう誤用となる。< http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf 参考図書:「敬語」(菊地康人 講談社学術文庫)「敬語の指針」とほぼ同じ立場 から書かれたものです。
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