食パンヒロイン「遅刻遅刻〜!」

食パンヒロイン「遅刻遅刻〜!」 (ドンッ) 2人「あたたた…」 イケメン「ごめんね、怪我はないかい?」 食パンヒロイン「こちらこそ、ごめんなさい…(カッコイイヒト…)」 これって少女漫画のテンプレみたいになってますよね。 でもこの流れから始まる少女漫画を見たことがありません。 この流れの元ネタってなにかわかりますか?

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2020/4/25 9:28

1990年(平成2年)に、相原コージと竹熊健太郎による『サルでも描けるまんが教室』(以下『サルまん』と略)の第9話で、少女漫画における典型的な出逢いの場面として、#概要の通りの場面が描かれている[9]。2010年(平成22年)に行われたgooランキング「古い少女マンガで『あるある!』と思ってしまうシチュエーションランキング」のアンケート集計結果でも、この場面は古い少女漫画の定番として、第3位にランキングしている[10][11]。1960年代以降の新旧少女漫画やサブカルチャーに造詣の深い菓子研究家の福田里香は、2012年(平成24年)の自著『ゴロツキはいつも食卓を襲う』において、少女漫画に多い場面としてこの大筋を紹介し、「実在の漫画ではなく、何も見ずに自分の記憶のみに頼って書いた」と述べている[8]。日本国外でも、BuzzFeedによる2013年の記事で、日本国外から見て日本のアニメに多くみられる場面の一つとして挙げられている[12]。 しかし福田里香や[8]、フリーの著作家である田幸和歌子[* 2]、イラストレーターのはいおくらによる報告によれば[14]、この場面は、古い少女漫画ではほとんど使用例が確認できないことが指摘されている[1][8]。 2005年(平成17年)の田幸和歌子のエキサイトニュースでの記事によれば、田幸は少女漫画85作品を対象として調査したところ、「遅刻、遅刻」と口にしていた漫画は『永田町ストロベリィ』など、わずか5作品であり、主人公か恋の相手が転校生である漫画も『いるかちゃんヨロシク』など4作品に過ぎず、「食パン」「遅刻」「衝突」「恋」の要素をすべて満たす作品は皆無であった[1]。はいおくが田幸のこの記事を受けて追加調査したところによれば、漫画雑誌『りぼん』を1970年から1985年まで全て読破した経験から、そのような漫画は存在せず、定番の場面とは言えないと断定している[2][14]。先述のgooランキングでも、実際には古い少女漫画ではほとんど使用例が確認できないことが指摘されている[11]。福田里香の、2012年の雑誌「ケトル」のパン屋特集号での記事、及び先述の同年の自著『ゴロツキはいつも食卓を襲う』での発表によれば、福田は1960年から1970年代のラブコメディ系の少女漫画、さらには少女小説や、当時のラブコメディ系の少年漫画を調査した結果、「登校路を走る」「人と衝突する」「転校生と恋に落ちる」といった別々の場面ならあるものの、#概要に述べたような筋書きに該当する作品は存在せず、周辺の漫画愛好家に確認しても、これといった作品が存在しなかったという[3][8]。 福田がこの場面の初出として認めている作品が、先述の『サルまん』第9話である。ただしこの回は、少女漫画を描くためとして、その類例をパロディ化して紹介する話である[9]。つまり、元祖より先にパロディが登場することになる[3][8]。水声社『バナナの皮はなぜすべるのか?』(2010年)においても『サルまん』を、最初にこの場面に焦点を当てた作品として推定している[6]。はいおくが『サルまん』について、竹熊健太郎にメールで質問したところ、竹熊からは「直接的な典拠はなく、いくつかの事例を複合した」「竹熊が中学生の頃(1970年代半ば)には、これが一種のパターンという認識は一般にあった」との回答が得られている[2][14]。 一方でテレビアニメでは、『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回[15](1996年〈平成8年〉3月27日放送)において、同作の主要人物である碇シンジと綾波レイによる同様の場面が登場した[3][8][* 3]。福田は、社会的に大きな反響を呼んだ同アニメにおいて、人気キャラクターである綾波レイが「食パン少女」として描かれたことにより、「遅刻する食パン少女」が定番として完璧に世間に定着されたと見ている[3][8]。また福田はこれを、誰の記憶かも定かではない実体を持たない経験が、一種の集団的記憶として共有されているものとも示唆している[16]。 その後の2015年(平成27年)に、デザイナーのほうとうひろしのTwitterで、この場面の発祥の調査が行なわれた。その中では、『ハリスの旋風』に「学校に遅刻しそうになり、おにぎりを咥えて家を飛び出す」場面、『フジ三太郎』に「食パンを咥えて家を飛び出す」場面があることが指摘された[2]。また先述のはいおくは、1960年代後半から1970年代の漫画については数千冊単位で目を通した結果、「食パンを咥えて」の場面は確認できないものの、1970年代の少女漫画『つらいぜ!ボクちゃん』に「学生の少女が朝、学校に遅刻しそうになり、少年に衝突する」場面があると指摘した[2][14]。編集者の新保信長も、『1・2の三四郎』に同様の場面があることをTwitterで報告した[2]。 このように、別々に存在する「遅刻しそうになり、食パンを咥えて家を飛び出す」場面と、「遅刻しそうになり、通学路を走っていて、曲がり角で少年に衝突する」場面がいつしか混同され、その世間的なイメージを『サルまん』が少女漫画と結びつけて具現化し、それを否定する人など存在せず、否定するほどの材料もないため、「遅刻する食パン少女」が少女漫画のありきたりな描写として浸透し、それが後々まで続いているといった考察もある[2]。食パンには5枚切り、6枚切り、8枚切りなどがあるが、薄くて口に咥えやすい8枚切りがあるために、「食パンを咥えて」の場面がある、との意見もある[17]。 なお、ほうとうひろしのTwitterでは2015年(平成27年)に、1962年(昭和37年)の『サザエさん』(漫画版)で、磯野ワカメがパンを口に咥えて家を飛び出す場面があるとの情報が寄せられ、「食パンを咥えて家を飛び出す」場面自体は、これが最古のものと見られている[18]。 2010年代以降においては、あまりにも定番すぎるために逆手にとり、ギャグの題材として用いられることもある[16]。2017年(平成29年)のテレビアニメ『ちびまる子ちゃん』第1096話でも、「食パンを咥えて学校まで走れば、少女漫画のように運命的な出逢いがあるか」と、少女漫画の定番の場面として取り上げられている[19]。 日本国外でも「遅刻する食パン少女」の場面は浸透しており、日本の漫画やアニメが人気を博すロシアで、日本のアニメを見て育った女性の1人が、この場面が印象に残ったあまりに、日本での日常茶飯事と思っていた旨を発言している[20]。 また、「食パンを口に咥えて走る」場面に限って言えば、トーストに関する様々な情報を発信するトースト総合研究所の調査によれば、それを実践したことのある人は4.2パーセント、それを目撃したことがある人も6.4パーセントもおり、日本人の約1割が、漫画のみならず現実にこの場面を経験したことが報告されている[21]。ネットリサーチ会社のディムスドライブよる調査結果でも、遅刻しそうになってパンを咥えて家を出たことのある人は10.1パーセント、それを「やってみたい」という人は11.4パーセントとの回答が得られている[22]。

ThanksImg質問者からのお礼コメント

めっちゃ長文!ありがとうございます!

お礼日時:4/26 9:44