はい、質問者様の推測通り現在最も一般的な生後６ヶ月も避妊去勢時期としては早過ぎるのです。 性ホルモンは性にまつわること以外にも子犬の成長、特に骨や関節の正常な成長のために必要なのです。早過ぎる避妊去勢は子犬の健全な成長を阻害し、様々な悪影響を及ぼします。これは海外の様々な研究で証明されています。 そのため正しい避妊去勢時期は犬の成長が終わってからです。小型犬は１歳、大型犬は２歳になってからです（中型のは忘れましたすいません）。人の価値観によっては完全に成犬になってからの方が良いという考え方もあります。この二つの比較の研究はあまりされていないため自分の納得のいく方にすればいいです。 ただ、雌の方はそこまでシンプルではなく、ヒート前に避妊するかヒート後に避妊するかによって一部の病気のなりやすさが他の病気と大幅に違うことがあるのです。一般的には乳腺腫瘍はヒート前に避妊手術をした方が後よりもなりにくくなります。理由は乳腺腫瘍の発生率はヒートによる性ホルモンの分泌が多ければ多い程、つまりヒートの回数が多ければ多い程上がるからです。 しかし病気というのは何百種類もある中たった一つの病気の発生を予防するためだけに成長途中に避妊手術をすることは私は個人的には反対です。乳腺腫瘍は致死率が非常に低く、発症しても苦しくはない病気ですので日頃から愛犬の体調管理をし、早期発見早期治療すればいいだけです。他の病気はそんな単純なことではありません。 ＞避妊手術後に太るというのを聞きますが このことに関しては最新の研究を勉強していませんが、今私が知っている情報によると太りやすくなるのはホルモンバランスの崩れよりも不適切な食事と運動の方が圧倒的に多いらしいです。 避妊去勢前の犬は本能がとても強く、縄張りのパトロール、同性との張り合い、異性への関心、マーキング、警戒心、徘徊癖、交尾行動等といった多くの人間社会で生きる上では"余計な"行動にエネルギーを費やしています。これらの行動は性ホルモンによって引き起こされるものです。その性ホルモンが取り除かれ、犬が落ち着くと今まではそれらの行動に費やしていた分のエネルギーが不要になります。しかしそのことを考慮せず、その個体の身体の変化に合ったご飯の量に調整しないと当然カロリー過多で太ってしまうのです。 あと、多くの犬は上記"余計な"行動への関心が薄れたため、代わりにご飯への関心が高まり、避妊去勢前よりもがっつくことがありますのでそれを見てご飯の量を増やしてしまい、太らせてしまう飼い主が多いです。 もちろんだからといってホルモンバランスの崩れが原因で太りやすくなることが無いわけではないのですが、避妊去勢したからといってぶくぶく太るわけではないのでやはり不適切な食事量・食事内容が原因と言っても過言ではないでしょう。 因みにほとんどのドッグフードに使用されている穀物は犬猫にとって不自然な食材であり、健康に悪いものです。肉食動物が穀物を摂取するとその大半は糖分に変換されてしまい、肥満や糖尿病の原因になります。分泌ホルモンが変わり、必要なエネルギー量も変わったというのに太りやすい食事を続ければ太ってしまっても不思議ではありません。 （※質問の主題から脱線してしまうのでドッグフードが何故健康に悪いのかの説明はこちらを読んで下さい：https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11229376881 ) ＞なぜ早すぎる手術を奨める獣医がいるのでしょうか？ まだ「生後６ヶ月がベスト」が"常識"だからです。 日本はペット後進国であり、欧米のペット先進国に比べて情報が１５年以上遅れています。そのため専門家であっても古くて間違った情報を信じている人が非常に多い（というかほぼ全員）です。 専門家はもっと英語を勉強して最新の情報を取り入れるよう努力して欲しいです･･･（溜息）。