質問には書いてありませんが, f は微分可能と仮定されていますよね. 以下, f は微分可能であるとして証明します.
証明. (x₀,y₀) を D の 1 点とする. D の任意の点 (x,y) に対し
f(x,y)-f(x₀,y₀)=a(x-x₀)+b(y-y₀) (*)
が成り立つことを示そう.
D は領域であるから, (x₀,y₀) と (x,y) を D 内で結ぶ折れ線 L が存在する. 最初に L が線分, すなわち
L: γ(t)=(1-t)(x₀,y₀)+t(x,y), 0≦t≦1
が D に含まれている場合を考えよう. φ(t):=f(γ(t)) (0≦t≦1) とおくと, 平均値の定理より
φ(1)-φ(0)=φ’(t₀)
を満たす 0<t₀<1 が存在する. 連鎖律と仮定より
φ’(t₀)=(∂f/∂x)(γ(t₀))(x-x₀)+(∂f/∂y)(γ(t₀))(y-y₀)
=a(x-x₀)+b(y-y₀)
となるので
f(x,y)-f(x₀,y₀)=φ(1)-φ(0)=a(x-x₀)+b(y-y₀).
次に L が線分でない, すなわち, L が D 内の 2 個以上の線分を結んで得られる折れ線である場合を考える.
L=L[1]+L[2]+…+L[m],
L[i]: γ[i](t)=(1-t)(x[i-1],y[i-1])+t(x[i],y[i]), 0≦t≦1,
x[0]=x₀, y[0]=y₀, x[m]=x, y[m]=y
であったとしよう. L が線分であるときの結果から
f(x[1],y[1])-f(x[0],y[0])=a(x[1]-x[0])+b(y[1]-y[0]),
f(x[2],y[2])-f(x[1],y[1])=a(x[2]-x[1])+b(y[2]-y[1]),
…
f(x[m],y[m])-f(x[m-1],y[m-1])=a(x[m]-x[m-1])+b(y[m]-y[m-1])
が成り立つ. これら m 個の等式の辺々を加えれば
f(x[m],y[m])-f(x[0],y[0])=a(x[m]-x[0])+b(y[m]-y[0]),
すなわち
f(x,y)-f(x₀,y₀)=a(x-x₀)+b(y-y₀)
が成り立つ.
(*) より, c:=f(x₀,y₀)-ax₀-by₀
とすれば
f(x,y)=ax+by+c
となる. ◽︎