何百年も前につくられたダビデ像や金剛力士像をみると、かなりいい筋肉がついている様に見えます。
何百年も前につくられたダビデ像や金剛力士像をみると、かなりいい筋肉がついている様に見えます。 [質問] 特に筋トレなどをせず、当時の労働や生活や修行をしているだけでも、あれほどの筋肉はつくのでしょうか? それとも何百年もむかしの人たちの間でも、美しい筋肉をつけることが美徳とされていて、それを目的としたトレーニングなどがあったのでしょうか? 腹筋、腕立て伏せなどをやっていたとか、文献など残っていたら教えていただけると嬉しいです。 たとえば農作業など肉体労働をするだけで、現在のはたらく人々にも、あのくらいの筋肉がついたりしているのかな?と気になってます。 それにしても金剛力士像はすごいですよね、現代の科学的トレーニングをしてる人並かそれ以上に仕上がっています。あの肉体が数百年以上前に表現されていたことに私は驚いてしまいます。 芸術なので誇張はあるのでしょうが、ああいう感じに肉体を仕上げていた人間が当時実在したわけですよね。このことを私はすごいと思ってるんですが、歴史や美術や筋トレの専門知識のある人からみてどうお感じでしょうか?
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少なくとも古代ギリシャ世界には、筋力を目的としたトレーニングが存在したようです。 古代ギリシャには体系化された自重トレーニングがあり、それを指す単語として"calisthenics"が与えられていました。 calisthenics - Wikipedia英語版 en.wikipedia.org/wiki/Calisthenics ネタ元 書籍「プリズナー・トレーニング - 圧倒的な強 さを手に入れる究極の自重筋トレ」ポール・ウェイド(著)の一節 http://books.cccmh.co.jp/prisoner-training/trailer02.html 肉体労働は筋トレというより、マラソンなどの有酸素運動に近いです。 筋トレはセット毎に一々、動作限界まで追い込む必要があります。 しかし労働中に動作限界に達して動作をミスったら、不正確な仕上がりの仕事になるし、労働内容によっては事故に発展します。 なので、追い込まずに余裕を残した「筋トレになりかけ」の繰り返しに、肉体労働はなりがちです。 恐らく肉体労働とは区別して、古代ギリシャ人はキャリステニクスをしていたと私は考えます。 金剛力士像については、「筋肉博士」としてお馴染みの石井直方さんが考察しており、その筋肉の造形は解剖学的に正しかったそうです。 ウエイトトレーニングの起源~日本編 【石井直方のVIVA筋肉! 第8回】 | Web Magazine VITUP! [ヴィタップ] https://vitup.jp/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90%EF%BD%9E%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B7%A8-%E3%80%90%E7%9F%B3%E4%BA%95%E7%9B%B4%E6%96%B9/ これらの像の胸板が、誇張されずにショボいのも、モデルとなる人物の実在を臭わせます。 石井氏は、BIG3のひとつであるベンチプレスの訓練を当時の人々は行わなかったからだと考察しています。 BIG3の普及には、ディスクで重量調整できるバーベルの発明を前提とした、バーベルの重量を競うパワーリフティング競技の確立が大きな役割を果たしていますが、そのバーベルの発明は20世紀初頭です。 金剛力士像の下腹がだらしなく出ているのは、体重による階級分けなどなかった相撲の選手がモデルだからでしょう。 現代の科学的トレーニングといっても、まだ、ボディビルダーの後追いが主体です。 大阪体育学会第 52 回大会 基調講演 https://www.osaka-taiikugakkai.jp/journal/vol53/53_Tanimoto_35-61.pdf 「 ここに赤い字にあるようなちょっとよく分からないようなテクニックを(ボディビルダー上級者に)お願いすると、スロートレーニングや加圧トレーニングなどと同じように筋肉内の酸素環境、代謝環境を過酷にすることができてるということですね。 ただこれ、言ってる内容が学術的にどういう位置づけになるかよく分からないので論文には出てないですが、こういうことが分かるということです。 どういうことかというと、これは上級者のテクニックをすごく知りたくて行ったわけですけど、(論文で)書いてある仕方としては逆なんですね。 上級者がスロートレーニングみたいなことできているのではなくて、これまでこういった方たちにしかできなかった、軽めで筋を大きくさせるというテクニックを、誰でもできるようにしてるのがスロートレーニングというふうに解釈、こう書きました。 」 後追いされるボディビルダーは、お薬で最先端の科学の進歩を享受する以外は、科学的トレーニングの恩恵に与ることは出来ません。 なので、古代の先人から脈々と受け継がれる魔術を見取り稽古するのが主体かも知れません。
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ご回答ありがとうございます。 ギリシアについても、金剛力士についても、とても詳細な情報がたすかります。 ギリシアではそれを目指したトレーニングがあったと言うことなんですね。 金剛力士はベンチプレスがなかったためあの形になったというのも面白いです。ありがとうございました。
質問者からのお礼コメント
回答くださった方、みなさんありがたかったので、一人をベストアンサーにするのは心苦しいのですが、 「少なくとも運慶の像は解剖学的にも正しい筋肉の付き方をしていることがわかりました。 ということは、やはり筋肉の形がはっきり浮き出ているモデルがいたと考えられます。」 この文章が記されたページを教えてくださったので、こちらの方をベストアンサーとさせていただきます。 みなさんありがとうございました。
お礼日時:2020/12/4 21:56