タロットは占いです。いくつかの条件はありますがよく当たり、それなりの汎用性もあります。もちろん限界もあります。
相談者に聞いておきたい必要な情報はあります。別に引き抜いたりはしませんし、合わせることもありません。
これは時間と労力(とお金)の節約のためです。
時間いくらで占っている場合、最初にちょっとシチュエーションを説明しておけば20分で読み解くことができたのに、それがないために40分かかる、というようなことは実際に起こります。
ある程度のことはカードには出ますが、最初から言っておいてくれれば、もっとスムーズに鑑定が進み、アドバイスも良いものができる、ということは結構あります。
タロットだけではありませんが、占いはたいてい、イメージを得てそれを読み解くという行為になります。
たとえば、キーパーソンとして出てくる「年上の女性」が、母親あるいはその役割を負っている人なのか、近所の世話焼きオバチャンなのか、あるいは女性上司、部活の先輩、というところまではなかなかタロットではわかりません。そのあたりは情報を得つつ絞り込み落とし込み、というような作業になります。最初からわかっていればそのつもりで解釈したのに、となるのはお互いに無駄に思えるでしょう。
関係性は大事です。良い方へであろうが悪い方へ出あろうが、そこで読みが変わってくるということもあります。
医者に行ったことがあると思います。普通は問診ということがなされます。
急な腹痛。どこが痛いか、いつから痛いか、他に大きな病気を経験したことがあるか、というようなことを聞かれます。
盲腸炎かもしれない、胃潰瘍かもしれない、肝炎かもしれない、女性であれば子宮内膜症かもしれない。本人が自覚している情報というのは、何が起こっているのかを知る上で重要です。
あなたが昨日からちょっと胃がもたれていて背中にも張りを感じる、というような詳細な話をしなかったばかりに不要な検査をされたり、もっと重大な病気を見落とされたり、時間もお金も余分にかかったり、というようなことになったりすることは避けたいのではないでしょうか。
占いも、それと同じです。より良いものを選ぶために、必要なプロセスがあります。質問者が知っている情報を提供するのは、質問者自身のためでもあります。
なお、内容だけ聞いて占う、という人もいます。私は必要以上に情報を話したくない、という人には「信頼関係がなければより良い占いはできない、私が信頼できないから情報を渡せないというならば内容だけで占う人のところへどうぞ」と伝えます。
私は現状を本人以外の視点から整理し、現実的なアドバイスをすることが主眼であると思っていますから「何が起こっているか」を読み解くためにそんなに労力を割きたくはありません。