「入門Unixシェルプログラミング」はどちらかと言うと、bashなどを扱ったことが無い人向けの書籍でしょうか。スクリプトの組み方というよりも、コマンド周りの基礎を知るための書籍になるかと思います。数学の方程式の計算に例えると、ある問題をどのように方程式を立てて解こうか（スクリプトを書こうか）というよりは、文字式の基礎や書式のセオリー（シェルの基礎・コマンドの基礎）を学ぶ方に重点が置かれている感じです。 具体的には、 ・引数やコメント ・パイプやリダイレクトの概念 ・クウォーテーションの違い ・if,for文などの制御文 ・シェル変数や組み込みコマンド ・基本的なコマンド例や簡単なシェルスクリプトの例など が載っていますね。 これらを知らないと、スクリプトを組んでも、エラーばかりで中々コードが書けんということも多いかと思います。スクリプトの組み方というより、シェルの基礎・スクリプトを書く際の基礎を学ぶ内容が主かと。シェルスクリプトを本格的に書くために、というより、基本を学ぶ人用です。ちなみに、これくらいの情報ならネットで学べる、という人もいるとは思いますが、綺麗にまとまっているので、学習効率は非常に高いかと思います。ネットで1年かけて学んだことが、書籍で直ぐに学べたということはよくあります。ネット上だと、内容が古かったり、誤りもあったりするので。 >具体的にシェルスクリプトで感動するようなすごい処理がもしあれば、さわりだけで良いので教えていただけないでしょうか。 感動するかはわかりませんが、以下などのようなことはお手軽にできますね。（スクリプトではなくてコマンド打ちですが。） $ mkdir -p ./temp1/{07..35} $ ls ./temp1/ $ rm -r ./temp1/1* $ ls ./temp1/ $ rm -r ./temp1 ちなみに、sedやawkなどを学び始めると、スクリプトを組むのが楽しくなってくるかもしれません。 $ ls -l | awk '{print $9 }' $ ls -l | awk '{print $9 ,$8}' とりあえず、Linuxの設定ファイルを書き換えたり読んだりする際は、「あ、これはこういうことだったのか」とわかる機会は増えると思います。シェルの操作も抵抗は少なくなるでしょうか。 なお、「本気で学ぶ Linux実践入門」などの書籍も良いですね。こちらはどちらかというとLinux環境で操作をしながら学ぶ感じでしょうか。前者が理論を積み上げて攻めていく感じに対し、後者は実践的に攻めていく感じかと思います。専門家を目指すのであれば、両方読んでも良いと思いますが、趣味的に扱うのであれば、後者の方がとっつきやすいかもしれません。具体的にコマンドを使って、何を操作するのかといった話にもなっているので。理論的なものをきっちりと理解しないとダメな方ならば、、前者の方があっているかもしれません。ちなみに「Linuxプログラミング―例題で学ぶUNIXプログラミング環境のすべて 改訂2版」なども同系統かと思いますが、これくらいになると技術者向けになるように思います。趣味で軽くやる程度なら、ここまで読まなくて良いかとは思います。 なお、シェルスクリプトを組むなら、これらを読んだ後に、「UNIXシェルスクリプト マスターピース132」「シェルプログラミング実用テクニック」とか「sed&awk」などの書籍を読まれるとよろしいかとは思います。 ちなみに蛇足ですが、シェルを扱えるようになると、ユニケージ開発などに繋がりますね。 https://www.usp-lab.com/methodology.html