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猪木と馬場はあくまで、日本プロレスの「会社経営の健全化」では意見が一致していたのですが… 猪木が目指す改革は、現経営陣を追放し、人事を一新させる点にありました。 改革には猪木ゆかりの、プロモーターであり会計士である人物が介入しており、彼の力によって帳簿のずさんな管理体制を浮き彫りにできました。 そして経営陣の刷新には、社長を猪木に、そして協力していた会計士を副社長に就任させるという、猪木派だけで会社運営の主導権を握るプランだったといわれています。 馬場は性急な改革には慎重な態度を取っており、現経営陣の追放には難色を示していました。そのうえで、猪木派に会社の主導権を握られることに危機感を抱いたとされています。 (他にも猪木と馬場の間で、馬場が猪木に当時、借金を申し出ていたが会社側が馬場の資金用立てに応えて、馬場が猪木に同調する義理もなくなっての離反という説もあるようです) 結果として馬場は経営の健全化という一応の目標は達成でき、そのうえで日本プロレス内での地位は保持できました。 逆に猪木は欲の皮を突っ張っての独断専行を咎められ、立場を失墜させてしまいました。 猪木は社長・芳の里に詫びを入れ、芳の里も「お前はよくやった。これからも頑張ってほしい」と声をかけ和解したといいますが、選手会は猪木除名に向かっており、結局は芳の里も選手会の要望を受け入れ除名処分を認めてしまいます。 猪木は後の反論会見を開き、「あくまで改革を目指したものだ」と会社乗っ取りを否定しましたが、本人はそう思っていても周りがそう取ってはいなかったのです。 馬場も「猪木が目指す改革案が乗っ取りとしか思えない。裏切ったのは猪木のほうだ」と心情を吐露しています。 せめて、経営陣の刷新が、猪木派だけでなく馬場派からもバランスよく含めた人事だったなら、頓挫しなかったのかもしれません。
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