アメリカ陸軍で戦死者が最も多かった師団は、第3歩兵師団だそう。死傷率は補充兵を含めて176%!ある中隊では、カサブランカ上陸以後、1945年1月末まで生き残った者はたった2名。約2年半の戦闘で戦った戦場はチュニジア、シシリー、イタリア、アンツィオ、南フランス、アルザス・・
第28歩兵師団は、ヒュルトゲンの森の戦闘(1944年11月)に参戦し、2週間で死傷者5684名。撤退戦でさらに500名が死傷し、戦闘能力を喪失した。再編成のため送られたアルデンヌでは、ドイツ軍の攻勢正面(1944年12月)に位置したため、攻勢開始から8日間で死傷者・捕虜・行方不明者を合わせると4503名の損害を受け、再び壊滅。戦場に送られた1944年7月から任務終了の1945年6月まで、戦闘による損害は死傷者・捕虜・行方不明者を合わせ17193名。非直接戦闘による戦線離脱は8893名で、損失人員数は26186名。ちなみに標準定員数は14043名なので、丸々2個師団分の兵を失った計算になる。
そういえば、ノルマンディー上陸作戦後、ドイツ軍の反撃作戦リュティヒ作戦の折、アメリカ第30歩兵師団の逸話。戦闘のさなか、あまりの消耗に耐えかねて補充兵を36名後方で受け取った。再び戦場に戻ったとき、戦場にたどり着いて生き残った補充兵はたったの4名であったとか・・
小隊レベルで、どの程度生き残れば、という資料は見つからなかったが、アメリカ歩兵部隊の損害の多さの一例を探してみた。