アフターマン
現代から5000万年後(ヒトは現代からそう遠くない未来に絶滅するとされている)の動物はどのような進化を遂げているか、というのがテーマ。哺乳類の繁栄期という設定のため哺乳類についての記述がメインで、次いで鳥類もそれなりに多く、爬虫類や両生類については少数にとどまる。魚や昆虫やその他の無脊椎動物についての記述はわずかであるが、現代とあまり変わっていないとされている。章立ては各大陸ごとに分けられ、その中で森林、サバンナなどの同一の環境に棲息するいくつかの種の動物が一枚の絵に描かれていることが多い。大陸の配置は現代と異なっているが、地理についてはあまり詳しく触れられてはいない。導入部において、生物の進化についての基礎知識(ただし出版された年代の関係で、情報は古め)が学べる。
新恐竜
これは未来ではなく現代という設定。現実において中生代末に絶滅した恐竜や翼竜、首長竜などが現代まで進化を続けたらどのような動物になったか、というのがテーマ。章立ては現在の生物地理区分(旧北区や新熱帯区)などでまとめられており、アフターマンと異なり1種(ないしは1属)ずつ紹介されており、より図鑑の体裁に近い。これも基盤となる情報が古いが、最近復刊したものでは現在の知見を盛り込んでどの恐竜から進化した種であるかが変更された種もある。
マンアフターマン(アフターマンが2回あるのも変なのでこちらか)
その名の通りヒトがこの先どのように進化するかがテーマ。年代は200年後から1000年後、1万年後などと続き最終的に500万年後まで扱っている。体裁は新恐竜と同じく1種ずつの紹介で、種ごとの紹介のほかその暮らしぶり(生態)を描いた短い物語が入る。改造人間やサイボーグ化、テレパシーの使用、宇宙人(のようなもの)の到来など全体にSF色が強く、アフターマンとはかなり毛色が異なる。
フューチャー・イズ・ワイルド
500万年後、1億年後、2億年後の生物について扱っている。元々はテレビ番組であり、それの解説書という性質が強い。このためか各生物には学名がつけられていない。番組製作上の都合か登場する生物は各年代ごとに数種程度と少ないが、無脊椎動物についても多く触れられ、特に年代が進むとその割合が増す。掲載されている画像の多くはテレビ番組からの切り取りであるため登場する生物は全て絵ではなくCGで描かれている(解説にはイラストを使用した部分もある)。大陸移動やそれに伴う気候変動と生物進化の関係に重きを置いており、紹介される生物はそれらとのつながりを踏まえているものが多い。また過去に絶滅した種や現生の種との比較がよく行われる。
驚異の未来生物: 人類が消えた1000万年後の世界
タイトルの通り年代は1000万年後。紹介されている種数はフューチャー・イズ・ワイルドよりは多いが少なめで、いずれもCGで描かれている。鳥類の紹介が多いほか、無脊椎動物や魚についても紹介されている。哺乳類はコウモリの子孫を除き絶滅した設定なのでそれについてのみ触れられている(ただしそれなりに大きく扱われている)。メイキングについての記述があり、どのような生物を想像すれば驚きを与えられるか、といった点を念頭に置いて制作されたことが語られている。このため何かとぶっ飛んだ設定の種が多く、マンアフターマンのようなSF風味でもなくむしろ凝った設定のファンタジーといった印象を受ける。なおこれのみドゥーガル・ディクソン氏の著作ではない。