お詫び状なども同様。まず「何故その手紙を書くのか? 前文とは何か?」という意味や狙い、目的を考えることです。
前文というのは「時候の挨拶→安否の確認→感謝や謝罪の言葉」のような構成で本文の前にするご挨拶です。
質問者様が回覧板を届けるためにお隣のお宅を訪問したとします。もちろんいきなり「回覧板です」と渡してもいいのですが、そういう「本題」に入る前にご近所さんとしての挨拶を交わすのも自然です。
「おはようございます。今日は暖かくていいお天気ですね」(時候の挨拶)
「ちょっと前まで寒かったですけど風邪などひいていませんでしたか?」(安否の確認)
「先日は町内会の資料作成ありがとうございました」(感謝や謝罪の言葉)
「町内会の報告をまとめた回覧板をお持ちしました」(本文)
手紙の場合もいきなり本題から切り出すのではなく相手を気遣うご挨拶のようなところから始めて導入を柔らかくするわけです。
「拝啓 陽春の砌(時候の挨拶) 山田様に於かれましては日々御隆昌の事とお慶び申し上げます。(安否の確認)平素は公私に亘り多大なるお心遣いを賜り感謝と喜びの念に堪えません。(感謝や謝罪の言葉)
さて…(本文)」
では先のように「回覧板を届ける」という目的ではなく、怪我をして病院から帰ってくる方や、道に迷って困っている人、あるいはあなたが自転車をぶつけてしまった通行人に話し掛けるようなシーンを想像したら?
そんなときに「おはようございます。今日は暖かくていいお天気ですね」といった優雅なご挨拶からはじめるものではありません。いずれのケースも挨拶を省いて言わなければならないことがあると考えるのが妥当。
これが「何故その手紙を書くのか? 前文とは何か?」と考えて適切な方法を導き出すということです。