象徴的なのは、サポート切れ前に
すでにMicrosoftが修正を配布したいたSMBv1の脆弱性が
直後に、WannaCryに利用され、広範な被害をもたらし
あげく被害が最も多かったのは
サポート切れだったWindows XPではなく
シェアが多かったWindows 7となったという事例です。
SMBv1はWindowsネットワークのファイル共有の技術で
能動的に活動しなくても、外部からのアクセスに対応し
結果、脆弱性が外部から利用され
保存されているデータをすべて暗号化して
身代金請求するランサムウェアの被害となりました。
性質上は、売っても金にならないデータでも
データ持っている当人にとっては価値があるため
ランサムウェアはより多くの被害者に実害を与えます。
ウイルスの問題と考えている人は、基本情弱で
セキュリティ上のリスクは、ウイルスだけでなく
マルウェアと総称されるようになった多様な手法があります。
近年ではワームとウイルスの両方の性質を持つ
多機能のマルウェアも増えていますし
ランサムウェアも、ワーム的な手法を使ったりします。
かつてCodeRedやNimdaがWindows Serverを中心に流行し
ワームの通信量が多すぎて、インターネット全体が重くなるほど
甚大な被害を引き起こしたこともありましたし
そういう技術があれば、理論上はネット機能を有効かつ
インターネット接続設備との接続を行なっていれば
能動的な何かをしなくても
放置しておくだけで、被害に遭う場合があるわけです。
そういったさまざまなリスクを回避するためには
Windows 7のネット機能を使わないのが基本です。
ネット機能を使う際だけデータなどを隔離しておいて
ネット機能を無効にしたあと
全部診断してからデータ入れたHDDを繋ぐという運用も
成り立ちそうに見えて、万全ではありません。
もともとMicrosoftが修正していたSMBv1が悪用され
大きな被害が起きたのは、それだけ修正を受けていないPC
おそらく、セキュリティソフトなんかをあてにして
Windows Updateを停止していたPCが多かったためです。
2017年に起きたWannaCryの大騒ぎは
いわば、Windows Updateが受けられることの重要さと
セキュリティソフトなんか、あてにならないこと
両方を広く知らしめたはずですが…
なぜか、ウェブアクセスベースの集計では
Windows 7の減少はいつもどおりの緩やかな曲線です。
もちろん、マルウェア被害の疑いのあるトラブルで
買い替えていく人も大勢いるんでしょうが
もともとのユーザー数が膨大でしたから、まだたくさんいます。
Windows 10への無料アップグレードがあってなおこれですし
今も使っている人の大半は、10が厳しい非力なPCで
パソコンにお金を使いたくない人が多いでしょうし
買い換えろと言われても、なかなかそうもいかないんでしょうが…
安全を重視するなら、ネットはスマートフォンなどの
サポート中のOSが動いている端末で利用し
サポート切れのOSしか動かせないならネットに繋がない。
これが基本です。
そうやって、XP,Vistaのシェアはもう非常に小さなものになっていて
Linux系OSのほうが、XP,Vista合わせたシェアよりも多くなっています。
XP,Vista機の一部が、Linux化されて可動している実態もありますし
いずれはWindows 7機も、Windows 7のままよりも
Linux化したもののほうが多くネットに繋がれるようになるでしょう。
ですから、どうしてもパソコンでネットに繋ぎたければ
Linux系OSでの利用を試みるのも一つの選択肢です。
運が悪くなければ、Vista,7世代のPCは比較的容易に
Linux系OSが動きますし、軽量版のXubuntu 20.04LTSなら
Windows 10には厳しい非力なPCでもそれなりの速度で動きます。
うちも、常用機5台のうち一番非力なのは
Passmarkスコアで554のCeleron N2830機を
スコア1179のi3-3217Uに移行しているところですが
Windows 7時代のミドルクラスのほうがよっぽど速いくらいですし
Vista時代の上級グレードなら、1000以上の性能はありました。
1000前後のスコアであれば、Xubuntuなどを試す価値があると思います。
500前後だと、事務作業はできても
動画再生にも厳しかったりするので
手間暇かける価値があるのか、疑問を感じます。
うちは工夫して、やっと艦これ専用に使っていましたが
少しマシなタッチパネル付きPCが手に入ったので移行中です。
なお、実際にやるなら、PCの正確な型番を確認して
同機種でのLinux系OS動作実例を探してみて
問題の有無を確認してみるべきですが
当時あった問題も、Linux側の対応で解消している例もあり
それがメインPCでなければ
とりあえずやってみるのもいいかもしれません。
いずれにせよ、金で解決するか、知識や技術で解決するかの
どちらかの問題ですし、Linux化して使うほうが
Windows 7を安全に使うより簡単とも言えます。
(Windows 7の安全は運に頼る以外、打つ手なしです)
それが無理だったら、買い替えを検討せざるを得ません。