夢野久作先生が書いたドグラ・マグラの凄さってなんですか? まだ数ページ分しか読んでいなくて、どなたか教えて下さい。
夢野久作先生が書いたドグラ・マグラの凄さってなんですか? まだ数ページ分しか読んでいなくて、どなたか教えて下さい。
ベストアンサー
期待通りの回答はできなさそうですみません。言葉に上手く表せないので、一部だけ。 まず色んな形式の文を盛り込んでいます。過去新聞記者だった経歴がある(郵便局も経験あり)ためか、そのへんの技術は高いです。 会話、論文、新聞、書簡など。 なのに読みやすくて怖い。と私は思います。 ストーリーのほとんどが伏線です。しかもうまく収拾しているのですが、うまく収拾しているのに何が真実でなにが嘘なのか簡単に区別できない。 後半からは不意打ちでどんでん返しが繰り返されるのですが、どんでん返しが起きるたびに読者は「じゃあこういうことか?」「いやむしろ正反対の……」「じゃなくて新たな可能性が」「でもなくてやっぱり」「というわけじゃなくてつまりはこう?」と翻弄されまくります。 異常と正常が私はよく分からなくなりました。異常・正常はスペクトラム状になっていて、境界が曖昧です(正常にも異常にもグレーゾーンの域がある) 異常にみえて正常かも、正常にみえても異常かも。そもそも異常とは正常とは? 誰が異常で誰が正常なのか? 作中の精神病院という密室に正常も異常もないかもしれない。 あれを10年で書いたならやっぱりすごい。10年かけて書けるのもすごい。隙がなく、綿密に構成しています (でも本人は社交的でいい人なのもまたすごい) ドグマグの執筆期間中、夢野は日記に「わが頭が耐えきれまじ」と書き残しています。 もう作者自信がやられてますから。 すごいのよ。
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