スーパーの横などに包丁研ぎのおじさんが時々巡回してきます。 だいたい1丁あたり400円位です。回転式のグラインダー(縦回転)で研いでることが多かったです。
スーパーの横などに包丁研ぎのおじさんが時々巡回してきます。 だいたい1丁あたり400円位です。回転式のグラインダー(縦回転)で研いでることが多かったです。 (1)普通~高級包丁も、100円包丁も、研いだ直後は同様の効果があるのでしょうか? (2)手研ぎしている人は見かけませんでしたが、機械を使わないと採算が合わないのでしょうか? (3)機械の砥石円盤には縦回転と横回転が有った気がしますが、どちらの方が優れているのでしょうか?
ベストアンサー
質問とは全く違う立場から最初に書きます。 愚老は後期高齢者です。活計は化学屋ですが、幼少から思春期までは夏、冬、春の学校の休みの時などは、街から祖父母のもとに帰って農作業の手伝いも良くやりました。 当然その時代は農業機械は無く、牛耕や人力です。そうなると子供でも刃物を使いますから鎌など刃物の研ぎも見よう見まねで覚えていきます。小学校~中学校では一人前の研ぎが出来るようになります。もちろん手研ぎです。 その後学業があり、就職、結婚と人生を過ごしてきましたが、刃物研ぎは男の仕事だったので、今に至るまで包丁などは手研ぎで行っています。 あることをきっかけに地域おこしボランティアで包丁を主とした刃物研ぎを行うようになって7~8年になります。愚老の念頭にも、スキルとしても刃物研ぎに機械研ぎというのは全くなくて、手研ぎで人様の刃物を研いでいます。 地域おこしボランティアなのでお金は、格安です。無償でも良いのですが、皆様がかえって気を使われるので少しいただいています。 人様の包丁を砥いで困ったのは、皆さんの包丁がまことに酷いものもあるということは驚愕でした。 愚老は長年研いでいたので、基本的には中砥石1丁あれば刃こぼれも大きくないし、刃線も崩れないのでそれで済ませてこれました。 その砥石も天然の天草(備水)だけです。今でも愚老の田舎では道路から家に入るその手前には農機具小屋があり、外水道があり砥石が置いてあるのが普通の風景です。 それで済む生活とそれが当たり前の田舎を見てきたものとしては、例えば簡易研ぎ器で研いで真ん中が凹んだ包丁とか、大欠の包丁とかがあるなど思いもよらない事でした。 そういう物を研ぐのに天草1丁という訳にはいかないので、荒砥から購入していきました。地域的には野鍛冶さんの打たれた鋼-鉄系が7割、中には京都有次、日本橋木屋の鋼-鉄系などというのもあります。 従って、機械研ぎという訳にも行きませんし、人造砥石という訳にも行きません。(荒砥は人造にしていますが。) 鋼-鉄系の野鍛冶さんの包丁を機械研ぎ出来ない大きな理由が一つあって、それは当地の野鍛冶さんの物は本割込み、安い物でも利器材の割込み両刃がほとんどの地域なのです。 そういう包丁は、鋼と地金の境界が判らないと、単に光らせただけになります。友人が水平回転の人造砥石の研ぎ器を持っているのですが、一度使わせてもらったのですが、鋼も地金も同じように光って、刃先に鋼が出ているのか判らないので使い物にならないのです。 そういうことがあるので手研ぎです。酷い包丁になると持ち帰っての作業になります。平均的には現場でかけられる時間は1丁20分までになります。それ以上だと捌き切れなくなります。半日で10丁が良いところです。 長い前提でした。そのうえで質問に答えます。 Q(1)普通~高級包丁も、100円包丁も、研いだ直後は同様の効果があるのでしょうか? A(1) 違います。鋼材が違うのでその違いが出ます。 Q(2)手研ぎしている人は見かけませんでしたが、機械を使わないと採算が合わないのでしょうか? A(2)採算の問題よりも、早く見た目を良くすればよいとお考えだろうと思います。特にステンレス包丁が大多数を占めるところでは、ステンレス包丁というのは全鋼なので刃に一定の角度を付ければあるレベルまで切れるようになります。 もうひとつは鋼-鉄系を機械研ぎすると、鋼をしっかり刃先に出すのは単に機械に当てるだけでは不可能に近いです。最初に中砥石の天然砥石で研いで、包丁の鋼と地金がどうなっているかを確認しないといけません。そのうえで機械で研いでも常に鋼と地金を確認する必要があります。 そういうことを丁寧に行うと、1丁5分では終わりません。結局最初から手研ぎした方がうまく研げます。機械研ぎで鋼-鉄を5分で研いでしっかりした研ぎが出来る方は相当高いスキルがあるか、逆に見かけが良ければ良い、どうせ判りはしないと顧客を甘く見ているかでしょうね。 愚老の手研ぎに持ってこられて、車で回ってくる研ぎ屋は5分以内で終わるわよ、お客様を待たせたら良くないのでは無いの、と言われた方がいました。鋼-鉄の包丁でしたが、鋼が刃先に出てない研ぎでした。 そうおっしゃるならその方に頼んでください、と言いたかったのですが、愚老も技術屋の端くれですから、その包丁がどういう状態にあって、何のために時間をかけているか説明しました。何だか半分わかったような判らないような表情でした。 Q(3)機械の砥石円盤には縦回転と横回転が有った気がしますが、どちらの方が優れているのでしょうか? A(3)それぞれ特徴がありますが、小型の物であれば水平の方が良いでしょうね。縦型でも悪い訳ではありません。 なお上記は普通の家庭用両刃三徳あるいは牛刀についての研ぎに関して書いています。和包丁の片刃はまた別になります。 以上です。長くなりました。
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