ID非公開さん
2022/6/30 22:28
1回答
ネタバレ含むものになります。
ネタバレ含むものになります。 東野圭吾さんのどちらかが彼女を殺したの講談社のものを袋綴解説含め読みました。解説では、本編では犯人は明かされていない。でも講談社版で消された「左手で」がキーだと書いてありましたが、つまりは佳世子が本当は左利きで包丁などのヒントから佳世子が犯人だった、ということなのでしょうか。なぜ「左手で」はカットされたのですか?
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ベストアンサー
文庫本が手元にないので正確な引用はできませんが。 ①園子が殺害された部屋には口を切られた睡眠薬の袋が二つ残されていて、どちらも同じような位置に園子の指紋が付いていた。 ②加賀刑事は「封筒の開け方」から園子が左利きだと言い当てる。 また、園子の兄康正(右利き)の封筒の開け方を見て「ノーマルな多数派」と評する。 ③康正が佳世子を拉致。睡眠薬の袋を自分で開けさせて飲ませる。(文庫版では「左手で」の一語が削除される) ④康正の強引な調査の結果、二つの薬袋のうち、先に開けられた一つは潤一が切ったと確定。潤一(と佳世子)は、園子を自殺に見せかけて殺すつもりだったが断念してその場を去った、二つ目の睡眠薬は園子が自分で開けて飲んだ(=園子は自殺だ)と言い張る。 ⑤説明を聞いた加賀は「園子は自殺ではない」と断言。その言葉に真実味を感じた康正は、加賀が何故そう言い切れるのかを考える。 ⑥佳世子が薬袋を開けた時の動作を思い出した康正は、どちらが園子を殺したのかを「1%の疑いもなく」確信する。 どちらも同じような位置に園子の指紋が付いていた二つの薬袋(①)のうち、先に開けられた袋は潤一が開けて園子の指紋を付けたもの(④)。 加賀が「園子の自殺ではない」と断言できた(⑤)のは、付けられた指紋の位置が左利きの園子のそれとは(②)矛盾しているから以外に考えられない。 従って、潤一の薬袋の開け方は「右利きの多数派」だと断定でき、二つ目の薬袋を開けて一つ目と同じような位置に園子の指紋を付けたのが真犯人だと導ける。 佳世子の薬袋の開け方を思い出した結果として「真犯人がどちらか」を確信できるのは、彼女の開け方が「右利きの多数派“ではない”(=佳世子が真犯人ではない)」場合のみ。 結論。真犯人は潤一。 「左手で」が削除されたのは、それがなくても真犯人を推理で導き出せるから。
補足 「多数派」ということは、確実に「少数派」が存在する。 つまり、佳世子の袋の開け方が「右利きの多数派」でないことは、彼女が左利きであることを意味しない。 パワーハンドルではない自動車の窓を右手で開けていた佳世子は、右利きである可能性が高い。
質問者からのお礼コメント
とても分かりやすいご丁寧な解説をありがとうございます。「左手で」を深く捉えすぎていたようです。ご丁寧に頂いたにもかかわらず簡素な文で申し訳ないです。とてもすっきりしました!感謝致します。
お礼日時:7/3 0:24