日本の文学部には「仮説は単なる思い付き」「学術論文は論証して正しさを示さなくてはならない」という中世のヨーロッパの自然学のような考えがあります。しかし経験科学は数学などの形式科学と異なり結果から原因を演繹できません。このことを文学部の教員たちに理解してもらうにはどう説明すれば良いか教えてください。石黒圭著『文系研究者になる』(p50)より引用。「研究は、「問い」にたいする「答え」を学術的な手続きにしたがって導きだす営みです。「答え」を導くことを論証といいますが、論証のさいに大事なのは論理的に考えること、すなわち、論拠とデータを示して議論することです。「問い」にたいする「答え」の見込みは「...