「銃が普及していること」と、「銃犯罪がたくさん発生していること」という、この二つは全く別々の要素です。ごっちゃにしちゃいけません。 ＞今更、銃禁止にしても既に手にした銃があるし、政府が引き取りしたとしても素直に出さない人も居るだろうし、 これは、「単純に規制を強化してもいったん普及してしまっている銃をへらすことは難しい」という話ですが、そこから一足飛びに「銃犯罪はなくなりませんよね」という結論に至ってしまっています。ここに大きな論理の飛躍があることに気づいていますか？ 確かにアメリカにおける民間での銃の普及率はとんでもなく高いものがあります。しかしアメリカほどではないものの民間での銃所持がそんなに珍しくない国はいくつもあります。そもそもこの日本だって全面的に禁止されてるわけじゃなく全国には数十万丁ほどの銃が民間で合法的に所持されています。ならばそれらの国でもアメリカと同様に銃犯罪が頻発してるのかっていうと、そんなわけはありません。 逆に、アメリカよりも民間での銃の普及率がそれほど高くないにも関わらず、アメリカなんか足元にも及ばないくらいに銃犯罪の発生率がとんでもなく高い国もいくらでもあります。 「銃犯罪が起きるのは、銃を所持している人がいるせいだ」というのは、あまりにも物事を単純化しすぎた見方であって、現実はそんな簡単なものじゃないってことです。 銃犯罪を減らすためにはどうしたらよいか？ 「銃犯罪が起きるのは、銃があるせいだ。だから銃を減らせば銃犯罪も減る」というのは一見するとわかりやすい理屈ですが、実際はそうとは限らないということをまず理解しましょう。その上で、銃犯罪が起きているのは（銃のせいではないとすれば）なんのせいなのか、社会のどこを変えれば銃犯罪を減らせるのか、そのためにはなにが必要なのか、そういったことまで考える必要があります。 また、銃を規制するというその方向でモノを考えるとしても、無闇矢鱈に「あれもこれも禁止」とするのは果たして本当に効果があるのか、良い結果をもたらしてくれると断言できるのか。そうでないのなら、どういった形の銃規制なら効果があると期待できるのか。 世の中ってのは、意外に複雑です。どこかに悪いヤツがいてそいつを倒せば全部平和になるなんてのはアニメの中の世界だけです。「銃犯罪を減らすには？」という単純な問いであっても、そこにはいろいろな要素が関わってきます。いろいろなことを学び、広い視野を持ちましょう。