科挙の六科というのは、隋の時代に設けられた試験の分類です。基本的に、高校及び大学受験レベルでは必要のない知識であり、科挙を理解するために六科がそれほど重要というわけでもありませんので、以下の回答はあくまで参考程度と考えてください。 ・秀才（しゅうさい） 後漢時代の郷挙里選にもあった科目であり、時事や経義（儒教の経典について意味や内容を問うもの）から５問出題して文章で解答を書かせるものです。科挙の施行当初は最も重視されていましたが、あまりに合格者が少ないため、地方から推薦された学生が不合格となった場合、その学生を推挙した州や県の官吏に対する罰則が設けられ、それが逆効果となって推薦者・受験者自体がいなくなってしまいました。秀才の科目は開元年間を最後に廃止され、以後は科挙の受験資格者を「秀才」と呼ぶようになりました。 ・明経（みょうぎょう） 経書（儒教の経典）に通じているかを試す科目であり、秀才の廃止後は進士と共に科挙の主要科目となりましたが、単純な経書の暗記能力のみを試す試験であったため、次第に軽んじられるようになりました。 ・明法（「めいほう」または「みょうぼう」） 国の法律に通じているかを試す科目ですが、早くに衰退しました。 ・明算（みょうざん？） 計算に通じているかを試す科目であったと考えられますが、これも早くに衰退しました。 ・明書（みょうしょ？） 書道に通じているかを試す科目であったと考えられますが、これも早くに衰退しました。 ・進士（しんし） 儒教の経典に関する知識のほか、詩や文書の才能を試す試験であり、秀才の廃止後は最も重んじられる科目になりました。北宋の王安石による改革で進士以外の科目が廃止されると、「進士」は科挙の合格者を指す用語へと変わりました。