「制裁説」が定説となっていますが、逆ではないかと思います。 新日本マットで実際にリングを血で染めたとか、血の海にしたという表現が当てはまるのは、ヒロ斎藤と武藤敬司とバズソイヤーくらいですが、この時の前田も負けないくらいの流血量でした。 マサさんにリングアウトで負けるとなると、試合前のマシンの襲撃でちょこっと血が出るだけでなら言い訳のしようがありません。 見慣れないほどの大流血を負わされてしまったという形にすれば、前田のバリューに傷を付けずに済みます。 前田自身も長州一派が大勢で参戦となれば、ただの負け役は引き受けてたまるかと存在感を示したかったというのもあったと思います。 前田が了承どころか、むしろ中途半端な流血にはしないでくれと本人が希望したのもあったのでは。 UWFスタイルにこだわりはあったにしても、前田には乱闘プロレスでも誰にも負けへんぞというプライドが当時はあったのだろうと考えられます。