受験勉強も含めて、勉強に必要と思われる認知的能力は、
①記憶力・知識整理力
②理解力・思考力・情報処理力
に大別されるような気がします。そう考えると、単に記憶力がよいというだけでは、まだまだ足りていない気がします。
ちなみに、①と②のうち、②の方が重要とも思います。コンピューターでいえば、ハードディスクが優れているものより、CPUが優れているものこそが処理性能がよいという感じだと思います。
実際、②の理解力は、最初に何かの説明を聞いたときに、その差が顕著に表れます。例えば、難解な数学や物理に関して同じ説明を聞いても、チンプンカンプンな人がいる一方で、少し聞いただけですんなり理解し、それまでの知識と有機的につながる人もいます。知識どうしがつながるのは①に含まれるので、①と②は実際には切っても切り離せない関係になっているともいえます。
いずれにしても、重要なのは、何かを覚えることでなく、理解して覚えた知識どうしを頭の中で関連づけて整理し、そういうネットワーク的につながった知識をもとに思考・情報処理をすることだと思います。こういうことがかなりの程度できないと、東大どころか、私の母校である阪大ですら難しいと思います。東大に行くような人は、そういう能力が驚異的に優れているのだと思います。それは、京大に行くような人にもかなりの程度当てはまります。
ちなみに、上の①②は認知能力と書きましたが、それとは別に、精神力みたいなものも必要な場合があります。この精神力は、努力の継続という行動に表れます。努力がどのくらい必要かは、上の①②によって変わるように思います。①②の能力が高ければ高いほど、少ない努力でよいパフォーマンスを発揮でき、①②の能力が低ければ低いほど、努力でカバーするしかないと思います。
ただ、1日18時間も勉強するような精神力を持つ人はふつうは存在しないと思うので、その点では現実的ではなさそうです。
というわけで、結論としては、
a) 東大に行くのに必要なのは記憶力というより、むしろもっと高次元の力である
b) 1日18時間も勉強できるような人はふつうはいない
という理由で、現実的ではなさそうです。
以上、よかったら参考にしてください。