「なぜ促音や拗音が実際の発音とは異なる大文字で表記されるのでしょう」 促音や拗音は、もともと日本語になかった音で、中国から漢字音をとりこんだり、日本語のなかでも音便とかの発音変化があったりして、あとから出来た音。 あとから出来た音なので、それを表記する仮名がなく、ありものの仮名を使って「決定 kettei に近いのはケツテイ ketutei だからそう書こう、「客 kyaku に近い音はキヤク kiyaku だからそう書こう」と工夫してなんとか書いていた。 その後、龍田(タツタ)と立った(タッタ)、千代(チヨ)と著(チョ)とかを区別できた方がいいよね、ということで、小さいツヤユヨが発明されたものの、大抵の場合文脈で判断したりできるので、あまり一般的にならなかった。 第二次大戦後、現代仮名遣いが出来たとき、発音どおりに仮名表記できるよう、促音・拗音は小さいツヤユヨを用いるようにルール統一された。 「なぜ 昨日今日を きのふけふ と書いたりするのでしょうか」 もともと、本当に「昨日(キノフ) kinofu」「今日(ケフ） kefu」と発音していたので、そう書いていた（平安時代初期ごろ）。 その後、日本語において発音の変化があり、発音は「キノフ→キノウ→キノー」「ケフ→ケウ→キョー」となっていったが、書くときは昔から「きのふ」「けふ」と書いていたので、そのままそう書き続けた。 第二次大戦後、現代仮名遣いが出来たとき、発音と仮名遣いとがずれているのはわかりづらいから発音どおりに書こう、ということになり「きのう」「きょう」と書くことになった。 「発音は時代によって移り変わるが、書くときの綴りは古いまま」というのはよくあることです。 英語でも例えば meet, like などは、昔は本当に「メート」「リーケ」みたいな音だったからそう書いているのですが、 その後、発音が「ミート」「ライク」のように変わっても、綴りはそのままになっています。