スピノサウルス類は古くは、1915年シュトローマーにより
1科1属のみのスピノサウルス上科として定義提唱されました。
今日(こんにち)では分岐学分類により、スズメよりスピノサウルス寄りに最新の共通祖先を持つグループとし
顎骨の吻側枝が有る。顎骨の前後方向の長さは腹背方向と同じかそれよりも長い。上腕骨遠位末端尾側に発達した肘頭窓が存在する。
等の共有派生形質により
アヴェテロポーダより原始的なメガロサウリアの二大分岐群の単系統群(メガロサウリダエとは姉妹群となり、共にメガロサウロイデアを形成する)
スピノサウリダエ(スピノサウルス科)として定義分類されています。
背の突起が発達し、吻部が長くワニ面でトサカが有り歯が円錐、尾が他の獣脚類に比べ上下に平たい等の特殊化が見られます。
バリオニクスやスコミムスはスピノサウルスより後脚が長く、イクチオヴェナトルは腰骨が大きいみたいです。
スピノサウルス類は主に
スピノサウルス亜科とバリオニクス亜科で形成されていると考えられていますが
スピノサウルス亜科が単系統で有るかは疑わしいとする意見もあります。
スピノサウルス類はジュラ紀の中頃にテタヌラより分岐し現れ、前期白亜紀にユーラシア大陸、アフリカ大陸、南米大陸に広く分布し繁栄した獣脚類のグループで
欧州を起点とし海岸沿いにアジア、アフリカから南米へと渡って行ったと考えられており
日本でもスピノサウルス類の歯の化石が石堂層(群馬)や湯浅層(和歌山)や北谷層(福井)で発見されています。
主な属としては
スピノサウルス、バリオニクス、スコミムス、イクチオヴェナトル、アンガトラマ、バリボナベナトリクス、ケラトスコプス、イリタトル、シジルマッササウルス、シャモサウルス等
これ迄に約15属程が記載されていますが
その殆んどが全身の半分の化石も見付かっていません。
歯と顎の化石のみで記載された様な
僅かな化石標本しか無い種が多いです。
一般によく知られた水棲四足歩行型のマウント骨格は
全身の約2割程度のFSAK-KK11888標本をベースにシュトローマーのスケッチやケムケムで発掘された部分化石等を組み合わせたコンポジット骨格で
スコミムスやバリオニクスにイリタトル等の骨格マウントも存在しますが
半分以上がアーティファクトの復元骨格でしかありません。