大家としては、更新してくれるのかどうかは重要な情報です。更新しないとわかれば次の入居者を探し始める必要があります。 そのため１か月前に更新するのかどうかをはっきりさせたいということです。それが１つ目の特約です。 １か月前に更新するあるいは更新しないという申し出があれば、それでどうするかはわかります（ちなみに更新しないと申し出をした場合、それを取り消すことは法律上できないことになっています）。 でも、人はそんなことを忘れてしまうことが多いです。覚えていてもうっかり期日に遅れてしまうこともあります。しなければならないと義務にしておいても、借地借家法では借り手に一方的に不利な契約は無効とされます。借り手が連絡忘れなどをした場合に備えて、連絡がなかった場合はどうすればよいかを決めておく必要があります。そのため２つ目の特約を付けてあるのです。 申し出がなければ、更新しないとなると、更新するつもりであったにもかかわらず追い出されるというのは借り手にとってすごく不利な契約なので、法律上許されない契約と考えられています（借地借家法では借り続ける権利を強く保護しています）。だから連絡がなければ、更新するとしておくことになっています。 ＞意思表示がないと自動更新になると書いてあるので、なくてもいいと思うのですが、なぜこのように書かれているのでしょうか １つ目の特約は更新をするかどうかを決める日にちにを定めることが目的の特約です。そして１つ目で連絡するのは、借り手の義務として定めておけば、連絡忘れは借り手の過失となります。 借り手は退去するつもりでいたのに連絡を忘れていた場合、この特約により自動的に更新がされますので、更新料が必要になります。そういう場合トラブルになりやすいです。そのようなトラブルに備えて、１つ目で時期と借り手の義務を定めておいて、２つ目で借り手の過失があった場合の取り決めを決めているという構図になっています。