人と人との相性はあると思いますが、基本的に、
身体の相性なんてものはないと考えています。
若い頃は、そういうものもあるのかなという
曖昧な気持ちでしたが、身体の相性を持ち出すのは、
あくまで、自分本位な感想でしかないと思うように
なりました。人との相性にしても、一方的に嫌いとか
苦手とか思い込んでいては、相性のいい悪いを判断する
ところまでは至っていないということだと思います。
もし、(その相手と)初めて身体の関係になったとして、
何か不都合なことやうまくいかないことがあった場合、
それで、「この人ではダメだ」と思うとしたら、
その相手とは、それまでのことです。自分の了見や
許容範囲という意味での器が小さければ、そう思うこと
ばかりになることでしょう。
もし、(性的なことに限らず)何か不都合なことや支障が
あったとしても、相手と話し合ったり、いろいろと
試したりして、乗り越えることができるとしたら、
その相手は、人としての相性が合っていると言えるのでは
ないでしょうか。そこまでしてつき合いたい、一緒にいたい、
そう思える相手であるということです。
自分にとって都合がいいから身体の相性がいい。
都合が悪い、具合が悪いから身体の相性が悪い。
そういう考え方や判断で、本当の意味で人と
つき合っていくのは、大変でしょう。
つき合いたい、一緒にいたい、普段の言動だけではなく、
身体と身体で、お互いの想いを伝え合って、満たし合いたい。
そう思える相手で、いろいろな困難を一緒に乗り越えることが
できるからこそ、相性がいいのだろうと思います。
もちろん、1度や2度で、それがわかるとは限りません。
でも、身体の関係になる前に、相手をよく知ることも
大事だと思います。身体の相性がいいか悪いかではなく、
人と人との相性がいいのかどうか。それを見ないで、
安易に身体の関係ばかりを考えると、判断を誤ります。
そして、身体の相性が悪かったと言い訳することに
なります。一時的に盛り上って、身体の相性がいいという
ことだけでつながっていても、結果は同じになるでしょう。
見た目や雰囲気やスペックなど、うわべのことだけに
とらわれていると、いずれ、気持ちがつながらないことや
想いを伝え合えていないことで、心は満たされなくなります。
何を重視するのか、人にもよりますが、身体の相性ものが
あると思っていると、落とし穴に嵌る可能性があります。