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民法 詐害行為取消権

tem********さん

2010/5/414:52:47

民法 詐害行為取消権

「取消の効果である財産の回復、又はこれに代わる価格賠償請求権は、債務者に帰属するのではなく、債権者に帰属する(大判T8.4.11)」
ということですが、

画像の例にある解説によると

「特定物債権を被保全債権として、詐害行為取消権を行使した場合は、取消は債務者と受益者との間の贈与契約を対象とするから、当該土地の所有権が取消債権者に移転する効果は生じない。」

と書いています。

取消の効果は、
特定物債権を被保全債権とする場合は、債務者に帰属。
特定物債権を被保全債権としない場合は、債権者に帰属。
ということでしょうか?

両者の結論は、矛盾してるように思うのですが、解説をお願いします。

補足ご解答ありがとうございます。daibursterさんのご解答ですが、相殺により事実上の優先弁済を受けることが出来こと、および、私法上の効果が「債務者」に帰属するというのは、債権者代位権行使の効果のことではないのでしょうか?「債権者代位の場合=債務者に帰属」「詐害行為取消権の効果=債権者に帰属」と混同されていませんか?

債務者,詐害行為取消権,特定物債権,債権者,被保全債権,詐害行為取消,受益者

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ベストアンサーに選ばれた回答

ber********さん

編集あり2010/5/809:54:52

入れてもらってもいいでしょうか。こういう説明はどうですか。問題意識を共有できればいいのですが。

債権者代位権及び詐害行為取消権とも責任財産の保全が目的であることは共通しています。

しかし、債権者代位権は債権者が自己の名において債務者の権利を行使するのに対し、詐害行為取消権は債権者が自己の名において自己の権利を行使するとされています。

詐害行為取消権の効力は、詐害行為を取消し、受益者或いは転得者に対して逸失財産またはその価額の返還を請求することにあります。その目的は総債権者のための共同担保の保全にあり、現行の執行法制度を補完するものとされています。

また、取消により詐害行為は、原告である債権者と、被告である受益者または転得者との間でのみ無効となり、それ以外の者(債務者など)との関係では無効にならないとされています。

つまり、大事なことは逸失した財産またはその価額が取消により、だれに帰属するかということではなく、総債権者の共同担保の保全がどうしたら図れるのかかということです。

既述のように判例の考え方(折衷説)によれば、債務者は裁判の被告でないため取消の効果が及ばないにも拘わらず、財産が取消権の行使により債務者の下に復帰した後、債務者の財産として執行の対象となるのは説明が困難という指摘(内田・民法Ⅲ321P)がなされています。また受益者、転得者は取消の相対効のため、債務者に対する追奪担保責任を追及できないとされています。

動産、金銭については、債権者代位権と同様、債務者が受領を拒絶すると、債権者の権利行使が困難となるため、債権者への引渡しを請求できるとされています(最判昭39年1月23日)が、特定物債権(特定物引渡返還請求権)については詐害行為取消権の行使ができるとしながら、前述の総債権者の共同担保の保全を目的とするため移転登記の抹消、つまり登記を債務者に戻すことにとどまるとしています(最判昭53年10月5日)。

質問した人からのコメント

2010/5/11 15:14:41

抱きしめる 一番私の疑問に近い回答でした。
他の方の回答も大変参考になりました。
ありがとうございました。

ベストアンサー以外の回答

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hot********さん

編集あり2010/5/501:06:50

詐害行為取消権の被保全債権は原則金銭債権でないと
いけません。つまり、AがBに1000万円貸していて
BがCに自分の土地を贈与する(詐害行為)。などが基本形です。

この場合、判例が認めた例外の事例だということになります。
Aが買主、Bが売主、Cが受贈者となり、
Aの土地引渡し債権(登記請求権)を被保全債権として
BC間の贈与契約を取り消すという形をとっている。

金銭債権でないのに認められる理由として判例は、
「特定債権も損害賠償請求権に変じうるのであるから
債務者の一般財産より担保されなければならないのは
通常の金銭債権と同様である」ということです。
ただし、債務者が無資力の場合のみ認められています。

そこで、この事例の場合、目的物が不動産であるということで
取消権者Aへの直接の登記を認めると、登記の実体関係
を反映すべき(どういう順序で誰から誰に移転したかを
きちんと、記すべきである。)とする不動産登記法の
要請に反するから、取消権者Aへの移転登記は
Bを介してしなければならないという理由で、
認められていないということですが、これが原則です。

例外なのは、金銭と動産の場合は、
履行もしない上、詐害行為をするようなBに戻しても、
また、同じことの繰り返しなので、イタチゴッコであると
それなら、取消権者への直接の引渡しを認めましょう
というのが判例の立場です。

まとめると(まとまってないですが・・・)
原則被保全債権が金銭債権しか詐害行為取消権の
対象にはならない。でも、特定物債権でも、金銭債権同様に
担保されるべきだから、認めましょうということです。

本来なら、売主Bに所有を回復することで足りる
のですが、動産や金銭の場合、隠匿や費消が容易で
取消権者に直接引き渡すことをみとめないと
詐害行為取消権のを認めた意味が無い。
(Bに戻しても使い込んだり、また売り飛ばす)

ただ、特定物債権が不動産の場合、
不動産登記法は、物権の変動は動いたとおり
記すべきであるという要請から、不動産においては、
債務者に登記を戻すまでしか認めていない。
本来、保全が目的であるのでそれで足りる
という理由です。
なぜ、足りるのか、一度詐害行為取消しがされると、
登記簿に記されます。次、詐害行為を行おうと
しても、まあ、受贈者も意図がわかるので
まあ、動産よりは安全でしょうということでしょうね。

結論は、
前記述は、金銭債権や動産の損害賠償請求を前提に述べたものです。

後記述は、文章に不足があり「不動産」という言葉がぬけています。

取り消しの効果としては、
本来は、債務者Bに所有を回復すべきである。(不動産の場合)
例外として、動産や金銭は債権者が直接回収できる。
ということです。

これに関しては、私も、納得できない部分があります。
ただ、今のところこういう結論になっています。

dai********さん

編集あり2010/5/601:10:38

詐害行為取消の効果は、全ての債権者が受諾することになるので、原則として目的物は債務者に返還されることになります。
しかし、目的物が金銭債権であった場合は、債務者は受け取っても直ぐに債権者へと弁済しなければならないため、受取りを拒否することが考えられます。
そのため金銭債権については、債権者は債権額を限度として自己への直接の引渡しを請求することが出来るようになっています。
それに対して、不動産は債権者へと直接登記を移すことは認められておらず、債務者名義の登記を回復することまでしか許されていません。
つまり、原則は債務者への変換ですが、金銭債権については自己への直接の引渡しも可能ということです。
債権者は受け取った金銭債権を債務者に返還する義務がありますが、自己の債権と相殺することによって義務を免れることになります。
先ほど「詐害行為取消の効果は、全ての債権者が受諾する」と書きましたが、この相殺を利用することによって詐害行為取消を提起した債権者は他の債権者に先んじて事実上の優先弁済を受けることが出来るようになります。
これは長らく法律の不備といわれていますが、現在まで放置されたままです。

補足
詐害行為取消も債権者代位も相殺によって事実上の優先弁済を受けることが出来るという点は一緒です。
詐害行為取消は、債権者と受益者の訴訟によって取消しとなるので、受益者と債務者の間では有効のままです。
ですから、債権者と受益者の間でのみ目的物が債務者に帰属することになります。
また、詐害行為取消の効果は直接債権者に帰属するわけではありません。
提示された判例は受益者と債務者の間では有効のままなので、債務者が受益者に対して請求権を持つわけではないといっているのではないかと思います。

補足2
不動産登記法は手続法なので、実体法上の根拠とするのは少しおかしいのではないでしょうか。
以下判例です。
民法424条の債権者取消権は、窮極的には債務者の一般財産による価値的満足を受けるため、総債権者の共同担保の保全を目的とするものであるから、このような制度の趣旨に照らし、特定物債権者は目的物自体を自己の債権の弁済に充てることはできないものというべく、原判決が「特定物の引渡請求権に基づいて直接自己に所有権移転登記を求めることは許されない」とした部分は結局正当である。(最判昭53.10.5)

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