Caの代謝調節に関わるホルモンってなんですか?また、そのホルモンの生理作用も教えてください!
Caの代謝調節に関わるホルモンってなんですか?また、そのホルモンの生理作用も教えてください!
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先にホルモン名を述べますと、 『カルシトニン』 と 『パラトルモン』 があります。 この2つのホルモンは、 血中 Ca 濃度によって分泌が調節されています。 まず『カルシトニン』ですが、 このホルモンは、甲状腺の傍ろ胞細胞(C 細胞)から分泌される ポリペプチド(32 個のアミノ酸から成っています)です。 カルシトニンの生理作用は、主に2つの経路があります。 1)骨から血中への Ca,リン酸の放出抑制 2)腎尿細管での Ca,リン酸の再吸収抑制 これら2つの作用により、血中 Ca 濃度を低下させることで、 骨吸収を抑制します。 そのため、高 Ca 血症 や 骨粗しょう症に応用されます。 また、血中 Ca 濃度を低下させる働きがありますので、 カルシトニンの分泌は、 血中 Ca 濃度が上昇したときに促進され、 血中 Ca 濃度が低下したときに抑制されます。 次に『パラトルモン』ですが、 このホルモンは、副甲状腺(上皮小体ともいいます)の暗主細胞から 分泌されるポリペプチド(84 個のアミノ酸から成っています)です。 パラトルモンの生理作用は、主に3つの経路があります。 1)骨から血中への Ca の放出促進 2)腎尿細管での Ca の再吸収促進 及び リン酸の排泄促進 と HCO3- の再吸収抑制 3)活性型ビタミン D3 への代謝促進による、小腸での Ca 吸収促進 これら3つの作用により、血中 Ca 濃度を上昇させることで、 骨吸収を促進します。 そのため、副甲状腺機能低下症に応用されます。 また、血中 Ca 濃度を上昇させる働きがありますので、 パラトルモンの分泌は、 血中 Ca 濃度が低下したときに促進され、 血中 Ca 濃度が上昇したときに抑制されます。 ちなみに、パラトルモンが欠乏しますと、 血中 Ca 濃度低下による全身性痙攣が生じ、 これを『テタニー』と呼びます。 以上、長くなりましたが、まとめると 血中 Ca 濃度が上昇すると、 カルシトニンの分泌促進 と パラトルモンの分泌抑制が生じ、 血中 Ca 濃度が低下すると、 カルシトニンの分泌抑制 と パラトルモンの分泌促進が生じます。 これらの作用により、Ca 濃度を調節し、骨形成 や 骨吸収を調節しています。 ついでにもう1つだけ、 『エストロゲン(卵胞ホルモン)』も骨吸収を抑制します。 (カルシトニンと同じ作用) これは、破骨細胞の活性を抑制することで生じます。
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