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民法177条の第三者

his********さん

2011/2/101:54:26

民法177条の第三者

質問です。
AからBに不動産(甲不動産)を売った後、Bが登記をする前に
AがCに甲不動産を売り、Cが登記を備えた場合、民法177条により所有権者はCとなりますよね?

なんか釈然としないのですが、
1・A→Bに売買の意思表示があれば所有権はBに行く。
2・そうするとAは無権利者
3・登記に公信力が無い以上、無権利者からは何も得られないはず。
4・よってCの負け

となりそうな気がするのですが・・・。
無権利者であるはずのAからCに行く権利とは何なんでしょうか?

なるべく噛み砕いた説明をしていただける方をベストアンサーにしたいと思います。
よろしくお願いします。

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tak********さん

2011/2/118:08:02

通説の立場は不完全物権変動説であると思います。他の方の回答にもあるように、様々な批判はありますが、二重譲渡と対抗要件の要否を考えるにはこれが一番わかりやすいと思います。この説の考え方は次の通りです。すなわち、物権変動というのは、当事者間では意思表示により完全に移転するが、第三者との関係では不完全にしか移転せず、登記を備えることで完全な物権変動が生じるとします。質問者さんの例をこの説によって考えると、まず、AB間の売買契約により当事者間では物権変動は完全なものとして生じています。しかし、Cから見ればその物権変動は“不完全”なものでしかなく、したがってAには未だ“不完全”な物権が残っていて、CはそれをAから取得することができるのです。ここにおいて、BとCは共に“不完全”な物権を持っていることになり、それが“完全”な物権となるには登記が必要ということです。まぁ、不完全な物権て何やねん!とか、意思表示により物権が移転するんじゃないのか!とかツッコミどこは満載ですが、かの有名な我妻栄が唱えた説だからこそ通説になったという事情があるようです。

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pp_********さん

2011/2/422:25:38

1・A→Bに売買の意思表示があれば所有権はBに行く。
2・そうするとAは無権利者

とありますね?この考え方が間違いなんですよ。 実は無権利者ではないんです。

匿名希望さん

2011/2/421:33:56

確かにAは無権利者です。でもCに所有権は移転します。

学説は多岐にわたっています。
佐久間毅『民法の基礎2 物権』有斐閣、53頁以下を参考に、簡潔にご紹介します。

❶不確定物権変動説(最判昭和33年10月14日民集12巻14号3111頁)
〔趣旨〕177条があるため、物権変動は登記を備えて初めて完全なものとなる(登記がなければ不完全にしか効力を生じない)。AB間の譲渡は登記がなければ不完全であり、Bは完全な無権利者ではないから、第2譲渡も可能である。
〔批判〕①第1譲渡後にBがなお有する所有権の内容が不明確。通常の所有権であれば、AとBの所有権が併存することとなり、一物一権主義に反する。通常の所有権と内容が異なるのであれば、物権法定主義に反する。
②登記を備えなければ物権変動の効力が完全にならないとすると、176条の定める意思主義に反する。

❷第三者主張説
〔趣旨〕物権変動は登記がなくても完全に効力を生じるが、第三者(C)が一定の事実を主張するとその第三者との関係では効力がなかったこととなり、その結果として、第三者の物権取得が可能になる。「一定の主張」に応じて、(ア)登記欠缺の積極的主張(否認権の行使)であるとする否認権説と、(イ)未登記物権変動と両立しない事実(反対事実)の主張であるとする判大事実主張説とに分かれる。
〔批判〕①Cの否認権行使や反対事実主張以前はBは無権利者であるから、CによるBからの物権取得を説明できない。②Cも未登記の場合には、ACの権利関係が不明になる。③特に否認権説は、CがAB間の物権変動を知らなかった場合のCの物権取得の説明に窮する。

❸公信力説
〔趣旨〕Bは第1譲渡により無権利者となるが、取引の安全のため、CがB名義の登記を真実に合致するものと(無過失で)信頼した場合には、177条によりCに所有権の原始取得が認められ、反射的にAは所有権を失う。177条は動産に関する192条(即時取得)と同趣旨の規定である。
〔批判〕不動産登記には公信力がないという日本の不動産登記制度の大前提を根底から覆すことになる。

❹法定制度説
〔趣旨〕176条は意思表示のみによる物権変動を定めているが、その物権変動は177条の存在により制約を受ける。177条の存在から、民法がCの権利取得を容認していることを前提としていることは明らかであり、それ以上の説明は不要である。
〔批判〕理論放棄である。

❺規範構造説
〔趣旨〕物権変動を保護すべき程度は権原の性質や権原相互の関係により異なりうるものであって、177条は、権原の優劣決定規範に他ならない。
〔批判〕権原の対抗という考え方は、「物権の得喪及び変更」の対抗という民法の立場とは異なっている。
<この説は理解が難しく、説明が長くなるので、かなり端折りましたが、興味があったら調べてみてくださいm(__)m>

❻本書の立場(前掲書56頁以下)
〔趣旨〕客観的にはAが所有者で、Cは無権利者Bからの譲受人だと言えるが、このような意思主義の原則は取引の安全や第三者の信頼保護という要請から修正されており、CのようにAB間の隠れた物権変動によって害される「第三者」からは、未登記のB→Aの所有権移転をないものと扱うことが可能である。Cが未登記のうちは、AからもB→Cの所有権移転を存在しないものと扱うことができるが、Cが先に登記を備えると、CはAを含む誰に対しても所有権取得を主張することができる(誰もそれを否定できない)ようになり、Aは反射的に所有権を失うことになる。
〔批判〕ACともに未登記の場合、AもCも登記具備によって所有権を主張し得る状態にあることになり、一物一権主義に反する。
〔再反論〕それは民法に177条が定められ、「第三者」に不法行為者は含まれないと現在では解されているということの結果である。

大変難しい議論です。
❶❷❻のようにB→Cを承継取得とすることにこだわると、一物一権主義や物権法定主義、意思主義に違反することになりますし、❸のように原始取得とすると、不動産登記に公信力を認めることとなってしまいます。❹❺は
、二重譲渡の場合に権利の帰属先や帰属の状態を示そうとすることにこだわることをやめているわけですが、いずれも難点があります。
そういう意味では、❻のように、条文を素直に解釈することによって説明し、一物一権主義違反とする批判に対しては、177条の存在を以て対応する(177条があるからしょうがない)、というふうに考えるのが妥当ではないでしょうか。

かりにこの説明で理解できなかったとしたら、私の説明が下手なのかもしれません。
ですが、本当に難しい問題であることは否定できません。
どの説に立っても難点が生じる、という意味では、正解は無いのかもしれませんね。

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