ワンセグ放送の受信は基本的に無料です。視聴も録画も無料です。
ワンセグは地上デジタル放送の一部帯域を利用した放送ですが、地上デジタル放送(フルセグ)とは異なり、放送での暗号化のプロセスとCAS(コンディショナルアクセス)およびDRM(デジタル権利保護機構)がありません。
そのため、ワンセグ視聴での課金を行う機能がありません。
これは、ワンセグ放送を実施する段階で2つの課題があったためです。
(1) 総務省がワンセグ放送を当初サイマル放送義務を課していました。
サイマル放送とは、地上デジタル放送と同じ番組を放送するもので、2009年3月まで義務付けられていました。
そのため、当時は課金システムを搭載する必要がありませんでした。
(放送のため、一度システムを構築すると、後で変更はできません)
(2) ワンセグの普及を優先するため、技術開発の時間を大幅に短縮しました。
その結果、暗号化機構や個人単位での視聴制御ができないような仕様となりました。
したがって、現在のワンセグ仕様では料金を徴収する方法がありません。
NHKの受信料も徴収のロジックが無いので、強制徴収等の対応は一切不可能です。
ワンセグには地上デジタル放送と同様に、データ放送があります。
データ放送では、携帯電話のパケット通信を用いて、放送以外の表示が可能です。
データ放送からは、放送局のサイトにしたリンクを貼ることができませんから、携帯電話回線を通じて表示できる1ページ目は必ず放送局のホームページとなります。(これを一次リンクと呼びます。)
そこから先へは、通常のインターネットと同様にアクセスすることになります。(これを二次リンクと呼びます。)
携帯電話回線を用いるので、パケット代がかかります。
上記のコンテンツアクセスや、機種によっては番組表取得がネットワーク経由で行われます。いずれもパケット課金対象となります。
機種によっては番組表表示に放送で送られるものを使用せず、携帯電話回線を使用して表示されるので、パケット課金が発生します。
(docomoの多機種やauの一部機種が番組表を通信により取得しています。)
携帯電話事業者のパケット定額プランに加入していれば、その課金ルールが適用されます。
ちなみに、ワンセグ放送を携帯電話で録画する場合は、携帯電話で利用されている著作権管理機構(OMA-DRM)が適用され、携帯電話の有料コンテンツと同様な暗号化が行われます。
ワンセグ一世代目はこの機構が搭載されていなかったモデルもありますが、現在はすべて実装されています。
現状の技術設計から、将来的な課金はできません。(課金するために世の中の受信機を入れ替えるのも不可能です。)
携帯端末向けの有料放送は、「携帯端末向けマルチメディア放送」というものが2012年から始まります。
(shumuhsさんへ)