シマノがスーパースローオシュレーティングシステム(密巻き)を止めて、07ステラ以降の機種は通常のオシュレーティングスピードに戻した『本当の』理由をご存知でしょうか?
スーパースローオシュレーティングシステムは、2000年限定発売のミレニアム・ステラから始まりましたが、「密巻きならば、同じスプール径でも既存のリールよりさらに飛距離が出る」というメーカーの謳い文句で、順次シマノのスピニングリールは各機種に採用されていきました。
が、しかし。。。。。。
これがバックラッシュ(ラインラッシュ)続出でひどいモノでした。(^_^;)
私もスーパースローオシュレーティングシステムの犠牲者です。
度重なるユーザーからのクレームに対し、メーカーであるシマノは
「フェザーリング(キャスト時に糸フケを出さないようにする)をしっかりやらないからそうなってしまうんです。(あなたが下手だから)」
「ラインにあまりテンションがかかっていないような使い方で ”ふわっ” とラインをリールに巻けば、どんなスピニングリールだってキャスト時にラインラッシュが発生しやすくなります。たくさん魚を釣る人は、ラインにテンションがかかった状態でスプールに巻かれるのでトラブルは発生しませんよ。(あなたが下手だから)」
と釈明(言い訳)していました。
あくまでもメーカーが悪いのでは無く、『釣人の使い方が悪い』もしくは『オマエが下手なんだよ』なのだそうです。
しかしそのような状況ではさすがにシマノもユーザーのクレームを無視できなくなり、”オシュレーティングスピードの最適化”という体の良い言葉を謳い文句に、各機種モデルチェンジするごとにスーパースローオシュレートが少しづつハイスピード化。(苦笑)
最適化の努力のおかげか、スーパースローオシュレーティングシステム搭載の末期の機種ではナイロン、フロロカーボン使用時のライントラブルは2000年当時からみると激減し、実用に耐えるオシュレーティングスピードになっていました。
しかしここで問題が発生!
当初は船釣りや海の大物ルアー釣り、オフショアジギングなどでしか使われていなかったPEラインがナイロンラインに取って代わり、シーバス釣り、バス釣り、トラウト釣り、エギングなどで小型スピニングリールでも頻繁に使用されるようになってきました。
そうなると、密巻きの弱点である「テンションが低い状態でラインを巻くと、下のラインに上のラインが食い込みやすい。」という弱点が再び大きくクローズアップされることになりました。
こうして、密巻きとほぼ同等の効果を発揮(飛距離が伸びる)するというAR-Cスプールの登場と同時にスーパースローオシュレーティングシステムの名前は07ステラ以降の機種からひっそりと姿を消しました。
特にルアー釣りにおいて、ナイロンラインからPEラインへ大きくシフトしていくユーザーの流れが、スーパースローオシュレーティングシステムの廃止を強く後押したことは想像に難くありません。