「あなたがさがしてくれるの待つわ、昔の名前で出ています」と歌われて いるように、昔の名前で出ている理由は、先の回答の通りです。 その上で、「そんな昔の人が今から出てきてお客が来るものか」について 考えてみます。 一般論としては、お水の世界は、見た目だけでなく、会話力や存在感など、 お客が来てみたいと思ってしまうような力量で勝負する世界との印象が あります。そういう力量があれば、昔の人でもお客は来ると思います。 ところで、この歌の主人公は、京都では「忍」、神戸では「渚」という名前 でした。横浜にもどってからは、「ひろみ」という昔の名前にしました。 「ひろみの命」と「あなたの似顔」をボトルに書いて、探してくれるのを 待っています。いろんな男を知ったけれど、「あなたのことを忘れたことは 一度もなかった」「いつもこの胸かすめる面影の、あなたがさがしてくれる のを待つわ」と歌っています。 「流れ女の、さいごの止まり木に、あなたが止まってくれるの待つわ」と 歌っています。 結局、「そんな昔の人」が現場復帰するのではなく、現場を渡り歩いた女の 一途な恋歌のように思います。 お客が来ても来なくても、今は、あなたのためだけに生きている、 そんな感じがします。