現在はどんな状態なのでしょうか？ 根がむき出しなら鉢植えにしてとにかく 来年春の芽吹き前まで待ちましょう。 今、移植はお薦めできません。 参考まで・・・ 「植樹に於ける樹木の育成サイクル」 樹木は秋の落葉期までに、樹体内の糖分濃度を上げて耐凍性を高 めてから休眠に入ります。 翌春、蓄積した糖のエネルギーを使って発芽や枝葉・根の伸長を し、さらのに肥大成長も行います。 展開した葉でつくられる糖分は蓄積されず、すぐに成長に使われ るので、5～7月中旬までは樹体内糖分濃度は最低の状態となって います。 高温と乾燥が続く夏になると、地上部の上長成長はほとんど停止 しますが、光合成を盛んに行い、その光合成でつくられた糖分は 、高温状態での生活による消耗を補い、幹や根の成長に当てられ ます。 秋になると、糖分エネルギーは越冬芽充実と体内への蓄積に使わ れます。 このような樹木の生理的サイクルから考えますと、5～7月までは体 内エネルギーが最も低い時期なのであります。 その時期に移植や剪定を行いますと、再び十分な枝葉を展開し発根 するためのエネルギーが絶対的に不足するのて、樹勢は著しく衰退 します。 一般的に、樹木にダメージを与えない移植や剪定は休眠期に行うのが 良いといわれる理由は、 ①その時期であれば春の枝葉が展開してダメージを回復する時間的余裕 があること。 ②気温が低いので病原体となる微生物や昆虫の活動が活発でないこと。 ③樹体内のエネルギー蓄積量が多く抵抗性が高いこと。 などがあげられます。