鰻の蒲焼きについて質問します。 Wikipediaでは江戸の背開きの理由は,「蒸す」工程が追加になった為。なぜ,「蒸す」が追加になったか?

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お礼日時:2016/5/21 15:25

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関東のウナギが他地方より泥臭いとか脂肪が多いとかという事実はありません(ウィキペディアに書いてあることがすべて正しいとは信じない方がいいですよ)。 臭みや栄養状態は、地方単位で違うというものではなく、個々のウナギが棲んでいる局地的な環境に大きく左右されます。同じ河川水系でも、流れが淀み濁りがちながら栄養に富む下流域や湖沼にいる個体と、それより水が清らかな中流域にいる個体では違ってきますし、季節や直近の天候によっても違ってきます。 一口に関東といっても地質も河川環境もさまざまで、十把一からげに他の地方より臭いがきついとか脂が多いとか決めつけるのは乱暴ですし、それを裏付けるデータもありません。 それと「泥臭い」というのは淡水魚にしばしば使われる紋切り型の表現ですが、化学的に著しく汚染された河川等でない限り、魚の身(肉)に泥の臭いが付くことなどほとんどありません。 魚に限らずすべての生物は、自己の体が体外の世界(水生生物の場合は周囲の水)と簡単に同化してしまわないよう、バリア(障壁)を作って身を守っています。 海の魚を釣り上げてすぐ刺身にしても、身は別に塩辛くありません。それと同じことで、仮に関東のウナギが「泥臭い」としても、身にその臭いが移ることは基本的にないのです。 泥が多い環境にいた川魚の場合、消化器には泥が含まれてしまうため、内臓ごと丸かじりするような食べ方をする場合は臭いが気になることがあります。 しかしウナギの蒲焼きで食べるのは、内臓を取り除いたあとの身の部分だけです。体表のヌメヌメに泥の臭いが残ることもありますが、それも昔から鰻屋で行われてきた、生きているウナギに数日以上綺麗な水をかけ流す処理(いわゆる養生)をすれば済む話です。 江戸で蒲焼きに「蒸し」の工程が入ったのは、別に関東のウナギが関西その他の地方のウナギより泥臭かったからでも脂っぽかったからでもありません。 ニホンウナギはグアム島~マリアナ諸島沖の水深2000m級の深海で孵化し、変態して体長5cmの「シラスウナギ」段階に達すると、2000kmもの距離を移動して日本列島の河川に遡上して淡水域で成長します。そして自分が誕生した深海まで再び2000km移動して繁殖活動を行い、一生を終えます。 この驚異的な運動量を支えるためウナギには桁外れの「筋力」と「スタミナ」が備わっており、だから古来より特別な栄養食として珍重されてきたのです。 ウナギの強靭な筋力の元になっているのが大量のコラーゲンで、スタミナを支えているのが大量の脂肪分です。脂肪組織にではなく、筋肉中に豊富に脂質を蓄えているのがウナギの特徴です。 しかしこの「他の魚よりコラーゲンと脂肪が群を抜いて多い」特殊な肉質のため、ウナギは美味しさを引き出すのが素人にはとんでもなく難しい魚です。このため一般的な家庭料理になることはなく、もっぱらウナギただ一種類を焼くために何年も修業した職人がいる専門店に行って食べるスタイルが定着しました。 ウナギの身というのは普通の魚に比べはるかに硬く、天然ゴム並みの硬度です。ウナギの身は筋タンパクの間に大量のコラーゲン質の繊維が規則正しく稠密に並んだ構造になっていて、これが身の硬さの原因です。 普通の魚の場合は、素人が家のグリルで適当に焼いてもすんなり中まで火が通りますが、ウナギの場合は、このコラーゲン繊維が障害となって容易に火が通りません。長時間の加熱によってコラーゲンが融解して、はじめて中まで火が通ります。 だから、普通の魚と同じつもりで焼いてしまうと、当然「生焼け」となってしまうのです。 加熱が不十分でコラーゲンが溶けていない状態のウナギの身は、弾力性がありすぎて噛み切れず、食感が硬くてまったく美味しくありません。 また加熱不十分のウナギには魚臭さが残ってしまうことが多いのも問題です。ウナギに限らず魚全般に特有の「生臭さ」「魚臭さ」(泥臭い、とは少し違います)の原因は、魚に含まれるアミノ酸が分解されてできるアルカリ性の揮発性物質で、普通の魚なら少し焼けば揮発成分なので蒸発して魚臭さは消えてしまいます。しかしウナギの場合は臭みの成分がコラーゲン層に大量に蓄積されて容易に蒸発しません。コラーゲンごと溶かさないと、臭み成分も飛んでいかないのです。 ウナギの身に大量に含まれるコラーゲンを溶かすには、時間をかけじっくりと加熱しないといけません。コラーゲンがよく溶ければ、それがウナギ特有の「ふわふわ」「ぷりぷり」の食感を生み出します。しかし素人が火力に任せて焼いてしまうと、コラーゲンが溶ける前に水分や脂肪分があらかた逃げてしまって、パサパサした味気ない蒲焼きになってしまいます。 脂肪の多いウナギは、少し焼いただけで普通の魚とは比較にならないぐらい大量の脂が下に落ちます。余計な脂分は落とした方がよいですが、落としすぎるとウナギらしい旨みが消えてしまいます。 「大量のコラーゲンを十分に溶解させること」と、「水分・脂肪分(特に脂肪)を落としすぎないこと」という簡単には両立し得ない二つの条件をともに満たすことが、美味しい蒲焼きを焼くための必須要件です。これを満たすには、長い年月をかけノウハウが蓄積・伝承されてきたプロの技術による以外、ありません。 この、美味しい蒲焼き作りの二条件を両立させる「工程」が、関東と関西では異なっているということです。両者は食感や脂っこさがかなり違っているのですが、実は目指す所は同じなのです。 関東では、ご存知の通り、一度焼いたあと「蒸し」の工程が入ります。店によっては1時間以上も時間をかけじっくり蒸します。蒸し調理の特性である「水」と「熱」が同時に加わると、コラーゲンがトロトロに溶け、このコラーゲンが脂質を身の中に閉じ込める働きをします。トロトロのコラーゲンと脂肪が渾然一体となって生まれるジューシーでふっくらした味わいが、関東風蒲焼きの真骨頂です。 名古屋名物の「ひつまぶし」も、ウナギをご飯の中で「蒸す」ことで、水分と脂肪を保ったままコラーゲンをトロトロ状態にする見事な方法のひとつです。 なお関東でウナギを背開きにするのは、串打ちしたときに身が柔らかい腹部が串の外側にあると「蒸し」の過程で外側が縮んで串が抜けやすくなるのを防ぐためです。江戸が武士の町だから切腹を忌んでどうこう、というのはまったくの俗説にすぎません。 一方関西では「蒸し」の工程がありません。ひたすら強火で焼き上げるのですが、そのとき関東をはるかに上回る頻度で、身と皮をひっくり返す「返し」を何十回も繰り返します。決して短時間勝負ではなく、じっくり時間をかけて「返し」の作業を頻繁に繰り返し、コラーゲンを十分に溶かします。 「返し」を繰り返すと脱水が進みそうですがまったく逆で、水分と脂分が身にほどよく封じ込められてふっくらとした仕上がりになります。返しを繰り返す過程で、身の表面に薄い脂肪の層が作られているのです。この脂肪の層が天ぷらなど揚げ物の「コロモ」の役割を果たし、表面がサクッと香ばしく中はふんわりジューシーという食感のコントラストを生み出しています。これは、関東の蒲焼きには見られない関西固有の食感です。 ただし頻繁な「返し」だけで身のふっくら感を作らないといけないので、関西の職人には関東以上の「焼き」の技術の熟練が求められます。 時間をかけてコラーゲンを溶かすと同時に、水分と脂質を身の中に十分保つ。このウナギを美味しく食べるための難しい条件をクリアするため、関東も関西も技術を培ってきた点は同じです。 長い歴史の中でそれぞれ異なる方法論を採用したということであって、獲れるウナギの質が関東と関西で違っていた(関東の方が泥臭く脂っこい?)からではありません。

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・関東ローム層というのはご存じですか。その環境で育つウナギは泥臭いことがあるので、蒸して臭みを除き、脂を減らします。 ・背開きは、腹から切ると切腹につながりますので、江戸では背から開いた、といわれています。 ・関西では育つ環境が関東とは異なりますので、泥臭いことはないので蒸さないで調理しますね。