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北欧神話とゲルマン神話って同じモノなんですか?それとも違うものなのですか?

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ID非公開さん

2017/7/2818:29:47

北欧神話とゲルマン神話って同じモノなんですか?それとも違うものなのですか?

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cel********さん

2017/8/417:22:16

ゲルマン神話というのは、その言葉自体からして「ゲルマン人の神話」って事に当然なります。で、この場合の「ゲルマン人」というのは、ローマ人からざくっと「ゲルマン人」と呼ばれた集団を指し、それは、インドヨーロッパ語族ゲルマン語派に属する諸言語を話していた集団と概ね一致します。

一方「北欧(の)神話」というのは、これもその言葉自体からして「北欧という地域でかつて信じられ・語られていた神話」って意味になるのは言うまでもないです。

で、「ゲルマン神話」=「ゲルマン人の神話」、「北欧神話」=「北欧という地域でかつて信じられていた神話」である以上、「ゲルマン神話」は「北欧(の)神話」を含むが同じではない、って事に、理屈では当然なります。「ゲルマン神話」≠「ドイツ(の)神話」も同様です。(なお、「北欧神話」という言葉からすると、フィンランドの神話も本来は含まれてしかるべきでしょうが、そこらへんの細かい事はこの際無視します)

が、現実問題として、神話として研究の対象になりうる程の情報量が現在に伝わっている「ゲルマン神話」は北欧神話に限られます。

その結果として、概念上は「ゲルマン神話⊃北欧神話」のはずなのに、ゲルマン神話の解説をしようとすると、中身は北欧神話になってしまいます。包合関係を示す模式図『っぽく』言えば、ゲルマン神話を示す円の中に北欧神話を示す円が入ってはいるが、ほとんど同じ大きさなので、違いが意識されにくい、って感じです。

どこの誰かもわからん私が書いただけでは信憑性がいまひとつでしょうから、コトバンクに載っている「ゲルマン神話」の解説から引用します。

~~~

世界大百科事典 第2版の解説

ゲルマン人の神話をゲルマン神話とよび,ギリシア・ローマ神話とともにヨーロッパの二大神話をなすことは周知のことである。しかし現在ふつうゲルマン神話として伝えられているものは,ゲルマン神話といういい方は正確でなく,北欧神話という表現を用いるべきであろう。そのわけは,紀元前スカンジナビア半島南部とバルト海沿岸に居住していたゲルマン人が元来どのような信仰形態を有していたかは,考古学的資料からしても現在まだ未知のままだからである。(以下略)

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲルマン民族全体のもつ神話。しかしその全貌(ぜんぼう)をうかがうに足る資料は残されていないため、『エッダ』を中心とする北欧の資料から推定されるにすぎない。(中略)厳密には北欧神話というべきである。紀元前のスカンジナビア半島南部およびバルト海沿岸に居住していたゲルマン種族が、元来どのような信仰形態や神話を有していたかは、残された岩絵や墳墓のような考古学的遺跡からしてもよくわかっていない。(中略)このためゲルマン民族の神話を知るには、キリスト教化が比較的遅れ、異教の信仰や習俗をまだ濃厚に残していた北ゲルマン人の記録、とくに『エッダ』『スカルド詩』『サガ』などの古ノルド語の文献に頼らざるをえない。(以下略)

~~~


(ご参考)

1.神話と伝説と民話

英語になりますが、ネットでも引用されることがある、「A Dictionary of English Folklore」(J. Simpson and S. Roud・Oxford University Press・2003・P254)から引用します。

Myths are "stories about divine beings, generally arranged in a coherent system; they are revered as true and sacred; they are endorsed by rulers and priests; and closely linked to religion. Once this link is broken, and the actors in the story are not regarded as gods but as human heroes, giants or fairies, it is no longer a myth but a folktale.

要旨は、

神話とは、divine beings(神的存在)に関する物語であり宗教と密接に結びついたもの。登場人物が神ではなく人間の英雄や巨人や妖精とみなされる様になったら、もはや神話ではなく民話である。

ってなところです。

どの学者も常にこの原則に厳格に従って、神話・伝説・民話を区分している訳じゃ決してないです。例えば、アイルランド神話の文字史料はキリスト教化された後に成立した為でしょう、超自然的な能力を持つ登場人物も「神」として描かれてはいません。しかし、かつて「神」として信仰対象だった時代がある事を示す「残滓」もあり、アイルランド神話という呼び方がされているのはご存知と思います。

が、「民話にかつての信仰の残滓が見られる」って事はあっても民話自体は神話とは呼べませんし、そういう残滓から元の神話の「大筋」を推測するのは相当難しいのではないか、と思います。そういう意味で「アングロサクソン神話」が「北欧神話」と「大筋はそんなに変わらない」と言う根拠になりうる資料ってどれだろう…、とは思います。

実は、私は「アングロサクソン神話」という言い回し自体聞いた事がないです。試しにGoogle Booksで“アングロサクソン神話”で検索してみましたが、「アングロサクソンの優越性」という意味での「アングロサクソン神話」という比喩的表現を除くと、いずれも19世紀前半の、スコットランドのW・スコットの小説「アイヴァンホー」と米国のエッセイストR・エマーソンの「自己信頼」しか見つかりませんでした。

「アングロサクソン神話」という言葉を使う事自体がイカン、とは決して思いませんが、そういう呼び名が一般的ではないのは、そもそも「アングロサクソン神話ってこんなもの」と語れる程の資料がないから…、じゃないですかね。


2.神話は不変か・言語が共通(or同系統)だと神話は均一か

一般論として《伝説》は不変じゃありませんよね。
平家物語と義経記を比べると、義経に関する伝承は後者の方が遥かに多いですが、伝承が発展・進化した例ですね。「神話では同様の事が起きない」と考える理由は何も無い、いや、「ある時代のある場所で神話を創造した人がいたら、他の時代の他の場所でも神話に創造を付加できる人はいるはず」と考えるのが普通でしょう。
日本書紀の神代に「一書に曰く…」という形でいくつものヴァリエーションが載っているのも、神話が「多様化」した結果でしょう。(逆に、政治的な統一の影響や神話自体の伝播で「均一化」の方向の変化も当然考えられる)

…ってな訳で、神話は変化するもので、様々な時代の無数の人の創作の積み重ねである以上、「同一言語を話す集団(あるいは同系統の言語を話す集団)の中の神話は均一である」とも言えません。そもそも、「神話が不変」で「言語(あるいは言語系統)が共通だったら神話も共通」だとしたら、『インドヨーロッパ語族に属する諸言語は、突き詰めるとインドヨーロッパ祖語という単一の「祖先」の存在が想定されているのに、なんでインド神話と北欧神話が違うんだ?同じじゃないと変だろ?』ってな事になってしまいます。

神話は不変ではないし、言語が共有されていたり同じ言語系統に属しているからといって「単一の神話が信じられていた」とも限らない、っていうのは、神話学の基本じゃないかと思います。実際、『日本書紀や古事記に載っている「日本神話」と同じものが、日本全体で遥かな過去から連綿と少しも変わらずに伝えられてきた』なんて思っている神話学者なんていませんよね。

ですので…

定義上北欧神話がゲルマン神話に含まれるのは当然ですが、厳密な意味では「北欧神話はゲルマン神話そのもの」ではないのは殆ど疑えません。一方、北欧神話以外にごく断片的に伝わった情報からすれば、ある程度の共通性はあった、っていうのも疑えません。が、資料が無い以上、共通性の「程度」はよくわかりません。

また、神話が不変ではない以上、「北欧神話」の“原典”とされる資料も、実際にはある時点のある地域の神話が文字として固定されたものに過ぎず、それが遥か大昔から変わらなかった、なんて事はまずないので、(例えば)紀元前後のゲルマン人が、現在「北欧神話」と呼ばれるものと完全に同じ神話を信じていた、って事もたぶんないでしょう。が、資料が無い以上、どこが・どれくらい違うか、って事はわかりません。(紛れもない「北欧(の)神話」を“北欧神話”と呼ぶべきではないというのは論理的とは思えないし、私自身はそういう主張は知りませんが…)

「神話は不変ではない」とか「言語系統が同じ=神話も同じ、って事にはならない」とかは、「神話学の基本常識」過ぎて一々触れていない本も多いでしょうが、類似点の多さから「北欧神話=ゲルマン神話」とみたいな主張は、神話学者は言わないし考えてもいない、と思います。

冒頭に述べたように、あたかも「北欧神話=ゲルマン神話」みたいな印象が抱かれがちなのは、北欧神話以外のゲルマン神話は、資料の為に「語るのが困難」だから結果的にそうなってしまう、って事じゃないでしょうか。それは、「日本神話といったら、(それだけしか日本に神話がなかったのではない事はわかっていても)、どうしても古事記・日本書紀に基づく議論が大部分になってしまう」っていうのと似た様な性格の話、と思います。

なお、ギリシャ神話とローマ神話の関係は、ローマ人が「おれらのユピテルは、ゼウスと同じ神なのだ」みたいに考えてギリシャ神話を取り込んでしまった結果、ローマ神話は、固有のものとギリシャ神話由来のものが相当程度「渾然一体」となってしまった、ってな話です。
「混ざってしまった」というのと「ゲルマン神話は資料不足で共通性の程度がハッキリしない」というのは、相当性格の違う話じゃないか、と思います。

超長文失礼しました。

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qwe********さん

2017/7/2823:28:58

これはわかりにくいと思いますが、ゲルマン神話の全容は現時点では明らかになっていないというのが正確なところかと思います。

ヨーロッパ本土はキリスト教化が早かったため、キリスト以前の異教の大系は現代に伝わっておらず、伝承や民謡、祭りなどにその痕跡がうかがえる程度です。

北欧神話の資料が残っているアイスランドでは、比較的キリスト教化は遅く、その完了は10世紀ごろといわれています。その後もしばらくは異教の伝承は記録され、スノリ・ストゥルルソンが「スノリのエッダ」を、サクソ・グラマティクスが「ゲスタ・ダノルム」(邦題「デンマーク人の事績」)を残しています。
この二つの記録によって北欧の神話は体系的に後世に伝わることになります。
さらに1600年代に二人が参考にしたと思われる写本が発見され、北欧に伝わる神話伝承はかなり詳細にわかるようになりました。

ただ、この神話伝承、いわゆる北欧神話がゲルマン神話そのものなのか、あるいは北欧の地域限定のものなのかは、ゲルマン神話の資料がない以上、断定はできないと主張する学者もいます。
北欧神話もキリスト教化後に記録されたことから、キリスト教の影響を主張する声もあり、北欧の異教を正しく伝えていないのではないかとして、北欧神話という呼び名にも疑問を呈する人もいると聞いたことがあります。

もっとも、ドイツに伝わるニーベルンゲン伝説のジークフリードと、北欧神話の英雄シグルズは同一起源とみなせますし、二つの伝承が北欧の神々のエピソードに連なっていることは判明しています。
また、グリム童話で有名なグリム兄弟の兄ヤコブが著した「ドイツ神話学」に収められているドイツの伝承には、北欧神話の主神オーディンのドイツ語名ヴォーダンという名が出てきます。
さらにドイツ伝承のホルダやホレは、北欧神話の女神フレイヤとも、フリッグとも言われています。

類似点の多さから「北欧神話=ゲルマン神話」という論調が多いですが、厳密にいえば、断定できるだけの根拠は揃っていないということになります。

北欧神話とゲルマン神話が全く同じものなのか、あるいは同起源を持ちつつ、違う体系を形成していたのかはわからないわけで、同じものか、違うものなのか、どちらともいえないというのが現時点での回答になるかと思います。

時の行者さん

2017/7/2821:08:41

ちょっと違います。というよりはゲルマン神話はゲルマン民族の神話で幾つかの派生があるのです。その中には属に北欧神話と言われるスカンナビア神話や、アングロサクソン神話などが含まれます。只大筋はそんなに変わりません。

一番有名なのが北欧神話でこれはアイスランドの法の支配者(大統領)のスノリ・ストルルソンが収集編纂したもので一つの体系になっています

ゲルマン神話はキリスト教伝搬以前のドイツ神話と思って戴いて良く、民話として残存しています。グリムなどが収集した古民話がそれにあたります。

アングロサクソン神話はドイツの故地のサクソニアに元を持つものでイギリスのサクソン系の古民話に伝わりかつケルト神話とある程度融合して独特のものになっています。またゲルマン民族に伝わる神話は各地で多少違っています。

凄い簡単に言うとギリシア神話とローマ神話は同じですかというご質問の形になりますが、この2神話も大筋では同じで細かくは違うという事ですね。

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