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元カテシリーズ最新作 「帰ってきた緑色のカフスボタンをした男」 はいかが...

mac********さん

2017/12/2416:42:07

元カテシリーズ最新作

「帰ってきた緑色のカフスボタンをした男」

はいかがですか

元カテはお正月休みを終えて、無事にC市に帰ってきた。

そして、彼を二人の部下が恭(うやうや)しく会社で迎えた。
仮に二人をNとMとしておく。
どちらも元カテの勤める大企業の厳しい選抜を経て選ばれた精鋭であった。
Mはいつもお昼に菓子パンを食べている男で、火が出るほどの馬力で仕事をするできる部下であった。
一方、nはMよりは年上で30代半の社員であったが、おとなしく水のように静かに仕事を進める男であった。
元カテは二人を部長として束ねる立場であったが、Mに対しては、もしかしたら将来、この会社の屋台骨を担う存在になるのでは亡いかと深く期待していた?
しかし、表面上は津根に厳しくMに接していた。
Nに対しては、仕事の上でもう少し欲を出してほしいと考え、スケルトン(単線結線)の作成を全て「丸投げ」していた。
Nは最初は元カテのこうしたやり方に反発を覚えていた様子であったが、今では元カテの心結のうちを理解し、仕事をこなし、一段と上のレベルに進んでいた。
元カテはNに言った。
「Nさん、飴ちゃんを食べないか」
ポケットから飴を出して渡すとNは言った。
「部長、お休みはいかがでしたか」
元カテは言った。
「我々は常在戦場だ。北海道の人びとの安寧な日常のために不眠不休で働かなければならない」
近くの席で昼飯の菓子パンを食べていたMが言った。
「部長は働き蜂のようですね」
元カテは振り返ってMに言った。
「そうだ、働いて死ぬのが私の希望だ」
Nは言った。
「部長の息抜きは何ですか」
元カテは言った。
「私は音楽をやるんだ」
Mが尋ねた。
「ラッパですか」
元カテは答えた。
「いや、鍵盤楽器だ」
Nが言った。
「部長はピアノを弾くのでしたね」
元カテは答えた。
「ギターも弾きます」
Mが言った。
「今度、聞かせていただけませんか、元カテ部長の鍵盤を」
Nも言った。
「私からもお願いします、元カテ部長の鍵盤演奏」
元カテは言った。
「残念だが、ピアノがここにはない」
Mが言った。
「本社のホールにピアノがあります」
札幌の目抜き通りにある元カテの会社の本社は隣にホールを併設し、時に市民が利用してコンサートを行ったりしていた。
元カテは言った。
「札幌支店のホールか」
元カテたちは、市民に接する自分たちがフロントで本社は自分たちを背後から支援する存在だと考えていた。
その自負が元カテたちに札幌の本社を「札幌支店」と呼ばせていた。
しかし、それはここで本筋の物語とは関係のない余計なことである。
元カテは雑談をやめ、仕事に戻った。
Mは菓子パンを食べ、Nはスケルトンを書くことに専念した。

数日後、元カテは「札幌支店」の総務部から電話を受けた。
「元カテ部長ですか」
元カテは言った。
「私が元カテです」
電話の声は言った。
「元カテ部長は鍵盤楽器を巧みに操るということですが」
元カテは言った。
「私はピアノを弾きますが、それほど巧みではありません」
電話の声は言った。
「ご謙遜を」
元カテは言った。
「とんでもありません」
元カテの電話を同じ部屋にいたMとNが耳を澄まして聞いているのが元カテにはわかった。
「今回、社員による演芸大会を催し、市民に無料で公開するのですが元カテ部長にも是非出ていただきたいのです」
元カテは尋ねた。
「他にはどなたが出るのですか」
電話の声は言った。
「会長によるマジックと専務による一輪車と元カテ部長による鍵盤楽器の演奏です。もう一人根室市支店の社員による落語もお願いしています」
元カテは腹を決めた。
「わかりました、やりましょう」
元カテの背後で拍手が聞こえた。
MとNのものであった。
元カテが電話を切るとMは言った。
「実は私が総務部の同期に元カテ部長が鍵盤楽器を巧みに操ると話したのです」
元カテはやられたなと思った。
Nも言った。
「私も聞きに行きたいのですが、仕事があるので行けません」
元カテは演芸大会当日、C市のアパートを朝八時にスバルGTBで出発した。
ホールに着くと会長がいたので深々と頭を下げて挨拶した。
「今回は君の鍵盤楽器による演奏を最後に置いたのでよろしくお願いするよ」
元カテは言った。
「身にあまる光栄です」
ホールには1500人近い人が集まった。
人々は会長が虚空からステッキをつかんで取りだし、口から炎を吹き、女性社員の入った箱に短剣を突き刺すのを固唾を飲んで見守った。
専務は一輪車に乗りながら三個のお手玉を器用にくるくる回してみんなの喝采を浴びた。
根室支店の社員による牡丹灯籠は人々を心の底から恐怖に叩き込んだ。
そして、元カテが登場した。
元カテは坂本龍一のエナジーフローを心結を込めて優しく弾いた。
たまたま元カテの勤める会社はエネルギー産業であったからである。
自大のエネルギーはこのように安らかで美しいものでありたいという元カテの願いが其処に込められていた。
https://m.youtube.com/#/watch?v=2ZpSKmrCqEQ
会場からはいつかすすり泣きが聞こえて

補足きた。
東日本大震災で家族を失った人の悲しみが、元カテの弾くエナジーフローの中にようやく行き場を見つけて解放されたのであった。

演奏が終わるといつまでも拍手がなりやまなかった。
元カテは椅子から立ち上がると開場にムカッテ手を振った。
ブレザーの袖口からは元カテがいつも身につけている緑色のカフスボタンがキラキラと光った。

おしまい

元カテ部長,鍵盤楽器,菓子パン,スケルトン,心結,元カテ,ピアノ

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1

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ベストアンサーに選ばれた回答

xps********さん

2017/12/2420:54:34

元カテさんのピアノの音色は
震災の悲しみを癒すほどのパワーを持つのですね
元カテさん、カッコいいです
(о´∀`о)

質問した人からのコメント

2017/12/24 21:17:00

この元カテは現実の元カテとは無関係です

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