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障害物周りの圧力の変化について

Daydayさん

2019/9/2015:50:42

障害物周りの圧力の変化について

ベルヌーイの定理でわからないことがあります。障害物から離れた場所の圧力が1気圧で速度が50m/sだとします。空気の流れの中にある障害物の前面では速度が減少するので圧力が上がり、後方では速度が増加するので圧力が下がると思います。

そこで疑問なんですが、障害物から離れた場所の1気圧っていうのは静圧ですよね?そうするとベルヌーイの定理から障害物周りで速度が0m/sのときの静圧は全圧で、50m/sのときは1気圧でいいのでしょうか?

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iit_takaさん

2019/9/2516:38:35

ベルヌーイは、水や油のような、
ほとんど圧縮性のない、非圧縮性流体で、かつ非粘性の定常流について、
実験し、この流体の1本の流線の上で、速度Vと圧力Pと高さZに関する、
ポテンシャルの和が、任意の位置で、同じであると言う、
ベルヌーイの定理を発見した(損失によるポテンシャルの減少は無視すれば)。
式で書けば、
{(V^2)/2}+(P/ρ)+g Z=一定 ------------------(1)
ここで、g=9.80665[m/s^2]重力加速度。ρは密度[kg/m^3]。
質問者は流体として空気を考えているが、ここではまず、水を考えよう。
さて、(1)を圧力表記に直せば次式となる。
{(ρ V^2)/2}+P+g ρ Z=一定 -------------------(2)
今、障害物の影響を受けない場所の圧力Pを1気圧、流速Vを50[m/s]としよう。
障害物に流れが当たって流速が0となる所を「よどみ点」と言うが、
この点の圧力をPsとする。また、高さに変化がないものとすればZは同値で、
(2)のZの項は消去できる。さらに、非圧縮性から、よどみ点の密度は障害物から離れた場所の密度ρと同じである。すると下式が成立する。
{(ρ V^2)/2}+P=Ps ------------------------------(3)
ここで、ρ=1000[kg/m^3]、V=50[m/s]、P=101325[Pa]。
これらを(3)へ代入すれば下の結果を得る。
Ps={(1000*50^2)/2}+101325=1351325[Pa]=13.3365[気圧]
よどみ点には大きな圧力が発生するのが解る。

さて、空気の場合である。圧縮性を持つが、非粘性の定常流に対する、
ベルヌーイの式(ポテンシャル表記)は、
ポアソンの法則
P ∝ ρ^γ--------------------------------------------(4)
を用いて、次のように書ける。
(V^2)/2+{γ/(1-γ)}(P/ρ)=一定-------------------(5)
ここで、γは空気の比熱比(定圧比熱Cp/定容比熱Cv)で、
乾燥した空気の場合、γ=1.403である。
また、空気の0[°C]、1気圧における密度ρ=1.293[kg/m^3]。
(5)から流体が水の場合と同様に、よどみ点の圧力Psを求めよう。
ただし、水の場合と異なるのは、
よどみ点の密度は、圧縮性のため、障害物から遠い場所の密度と異なる。
これをρsとしよう。式で書けば
(V^2)/2+{γ/(1-γ)}(P/ρ)={γ/(1-γ)}(Ps/ρs)-----(6)
となる。(6)のρsをPsで表すため、(4)を用いて、
ρs=C1 Ps^(1/γ) -----------------------------------------(7)
となる、C1をもとめる。
ポアソンの法則は圧力Pと体積Qとの間の関係として表せて、
P Q^γ=Co (定数)-----------------------------------(8)
である。(8)からQを求めると、
Q=(Co/P)^(1/γ)-----------------------------------(9)
体積Qの流体の質量をMとすれば、密度ρは
ρ=M/Q ---------------------------------------------(10)
(10)へ(9)を代入すれば
ρ=M/Q=M/{(Co/P)^(1/γ)}-------------------------(11)
よって、よどみ点では
ρs={M/Co^(1/γ)} Ps^(1/γ)=C1 Ps^(1/γ)-----------(12)
すなわち
C1=M/Co^(1/γ)} ------------------------------------(13)
(12)を(6)へ代入すると
(V^2)/2+{γ/(1-γ)}(P/ρ)={γ/(1-γ)}{Ps/(C1 Ps^(1/γ)}
=(1/C1){γ/(1-γ)}Ps^(1-1/γ)
=(1/C1){γ/(1-γ)}Ps^{(γ-1)/γ}
したがってPsについて整理すれば、
Ps=([(V^2)/2+{γ/(1-γ)}(P/ρ)]{C1(1-γ)/γ})^{γ/(1-γ)} ---(14)
障害物から遠方の流速と圧力は水の場合と同じとし、
空気の温度は0[°C]で、変化が速く断熱変化としよう。
すると、(8)式のCoは、体積1[m^3]について考えると、
Co=101325*1^1.403=101325 ------------------(N1)
体積1[m^3]の空気の質量Mは0[°C]、P=1気圧で
M=1.293[kg]だから、この値と(N1)を(13)へ代入して
C1=1.293/{101325^(1/1.403)}
=1.293/(101325^0.712758)=3.4972309*10^(-4)-----(N2)
これを(14)へ代入すれば
Ps=[{(50^2)/2+(1.403/0.403)(101325/1.293)}
x(3.4972309*10^(-4))(0.403/1.403)]^(1.403/0.403)
=102947.5952[Pa]-------------------------------(N3)
障害物から遠い場所の圧力を1気圧としたので、
[Pa]の単位で表せば、P=101325[Pa]。これと比較すると、
空気の流れの中の障害物のよどみ点圧力Psはわずかに高くなっている。
%で表記すれば
100*(Ps-p)/p=100*(102947.5952-101325.0)/101325.0=1.601[%]
程度の増加ではある。しかし、1気圧ではない。

話は大変長くなったが、質問者に理解いただけただろうか。
この結果から、船のよどみ点抵抗は大変大きく、
航空機や自動車のそれは、あまり大きくないことがわかる。
抵抗は、よどみ点の抵抗だけはないことは無論である。

以上

質問した人からのコメント

2019/9/26 19:58:31

ありがとうございます!
おかげで理解が深まりました

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