そのデータはどこを見ればよろしいでしょうか。国立大
工学部の元教員です。法人化する前,あるいはその後で
あっても学長裁量経費や学部長裁量経費のピンハネが
無い時代には,教授100万円,准教授80蔓延,助教60
万円といった予算がつきました。ただし,コピー代や
光熱水費も含む研究費です。出張費もあります。海外で
研究発表をすれば,すぐにウン十万円がなくなります。
小さい実験はできます。薬品もある程度は揃えられます。
でも大きな実験をする先生は,その時代でも外部資金を
どうにかして得ていました。決して潤沢とは言えません
でしたけどね。
その後,運営費交付金(研究費)は毎年1%ずつ減額
され,いまや,工学部の実験講座では,光熱水費だけ
で予算はマイナスになり,実験も出張もできないのが
現実です。ただし,この状況も,学部長の裁量が個々
の研究室側に立っている大学の場合です。多くの大学
そしてほとんどの文系の研究室では,出張が年に一回
できればいいくらいしか無かったりします。それが
世界で3位というのは納得できかねますが。
さて,では外部資金はどうでしょう。文科省(の外郭
団体)の科研費は,ごく一部の先生にしか高額プロジェ
クトはできていません。それも,ノーベル賞受賞者の
先生達がクレームを入れてようやく少しだけ増額され
たという状況です。工学部であれば,民間との共同
研究や,経産省・環境省などなどの予算もあります。
防衛省はくだんの議論のような状況です。もちろん
米軍の予算も申請して認められれば使えます。特に
コネの無い若い先生や,すぐには金にならない基礎
研究をやってる先生や,文系の先生はこういった
外部資金はなかなか得られません。
大学にいて感じる実態はこのようなものです。それで
も世界3位なんですか?信じられませんけど。