それは「幽顕分任之神勅」があるからです。
『古事記』『日本書紀』によれば、天照大神が神勅を発しました。「見える世界の顕世(うつしよ)は私(天照大神)の皇孫が行うようにしてください。一方、見えない世界の幽世・幽冥(かくりよ)は、出雲大社の大国主大神が主宰なさるように」というものです。
これにより天照大神の子孫が天皇として見える世界の政治(まつりごと)を
行うようになりました。
その一方、幽契により、大国主大神は幽冥主掌大神(かくりごとしろしめすおおかみ)となり、目に見えぬ神の世界や死後の世界などを総支配され、出雲大社に御鎮座されました。