声の「音域」とは何か、というのを誤解している人が多いようなんです。人それぞれ、楽器(=声帯)は異なるし、それを作動させる筋肉も人ぞれぞれだし、発声器官も含め、声の産出と共鳴に関係のあるものを納めている体全体も人ぞれぞれ。
それなのに、自分の音域は平均以上か、とか、ここまでしか出ないのはおかしいんじゃないか、とか、そういう質問がそもそもどうして出てくるんですか。「一般」より大きく離れていればだれでも気付くし、その場合は、その人の個性であるか、あるいは、医学的な問題です。そうでなければ、みんな「一般」の分布の中に収まるし、かつ、その分布の中でも声の色、技術、などが異なるのです。
> 地声がロングトーンではhiA位が限界で
それがどうかしましたか。そこまでで歌える曲を歌えばいいだけのことです。将来的に見て音域を広げるのは全く不可能とは言いませんが、声楽のテノールでもその音までしか歌いたくない、という人はいっぱいいます。ポップスではマイクで声を拾うので、声の高い人ならそこより少しは上に行くかもしれませんが。
> 髭男の曲を歌うことが出来ません。
キーを調節すればいいです。歌手の持ち歌は、その人の声が最もよく生かされるように作られているわけです。ですから、他人、特に、素人さんが歌おうと思ってもうまくいかないのは当たり前なんです。素人なら、まず、自分の声に合わせてキーを調節することから始めます。キーの調節が嫌なら、その曲は歌えない、ということです。
> よく地声の音域を広げるのに重要だと言われる裏声
そんなことを言っているのは一部のボイトレ教師でしょ? 地声と裏声は振動している声帯の部分が同じでないので、なんで裏声がうまく出せたら地声もうまく出せるの??? 裏声の最高音は、地声で出せる最高音の約1オクターブ上だ、と言われていますから、地声を鍛えたら、裏声も声域が広がるんじゃ?
> 裏声は何故か才能を持っていて、裏声は元からhihiEまで出せて、
> hihiD前後までなら綺麗にビブラートも掛けれます。
なら、裏声をもっと利用しよう。
> 裏声がここまで出るのに地声がhiAまでしか出ないのは、
> もうこれが限界だということでしょうか
普通に考えたらそうです。そのAより上まで出る人はそういません。
> ちなみにその地声は、張り上げてはいますが喉は締めていないし、
> 響きも良い感じです。
それなら、その声を大事にして、ひょっとしたら将来地声の音域も拡張するかも、ぐらいに構えているといいです。
ところで、最近気付いたのですが、多くの歌関係の用語同様、「張り上げる」という言い方も相反する意味で使われているようですね。
わたしの使い方は、
「声を張り上げる」無理に声を出す
「声を張る」力強く響くように声を出す