ベストアンサー
韓国には大統領の他に総理大臣=首相に当たる地位もあります。正式には「国務総理」と言いますが。日本の報道などでは首相と言われるのが普通です。国務大臣・閣僚の正式名は「国務委員」と言います。 世界の政治制度の中では、大統領と首相の両ポストがあるパターンが一番多いですね。 両者の権限ですが、大統領は名誉職で首相に実権がある型が多いですが、両者に政治的権限がある場合もあります。韓国もこれに当たります。 両者に権限がある場合は、大統領に大きな権限が集中するパターンが多いですが、首相にもかなりの権限がある型もあります。 アメリカ大陸やアフリカの国の多くが前者、フランスなどが後者になります。韓国は一応前者の型だと思いますが、その中では比較的首相権限が大きいですね。 韓国の憲法上は首相は大統領を補佐するとされます。国務会議(閣議)の副議長を務めます。また大統領が欠けた場合はその地位を代行します。 閣僚の任命や各省庁の長のどれに充てるかについては首相が推薦して大統領が任命することになっています。また閣僚を解任する提案をする権限もあります。 本来憲法はこの人事権を中心にそれなりの権限を首相に与えることを想定しているように思えます。 ただこうした制度に比べて、実際の政治では歴代の韓国首相の存在感は大きくないですね。李・朴・全独裁体制下の緊張の後でも、与野党間の対立が強くて、権力が集まる大統領ばかりが注目されます。 前の朴槿恵大統領の時は側近に権力が集中して、首相の人事推薦権限も全く実効性が無かったようです。 歴代首相として一番存在感があったのは金鍾泌(キム・ジョンピル)ですね。独裁体制下の朴正熙と民主化後の金大中の両大統領の下で首相を務め、韓国現代史の大きな転換期を陰で支えたと言われます。 文在寅政権で今年初まで首相であった李洛淵(イ・ナギョン)は歴代首相の中では大きな権限を発揮した存在でした。行政全体の大きな部分を担当していたようです。ただ担当分野が国内政治中心で外国からは分かりにくいのと、近年の日韓対立の中で、日本の報道がかなり偏ったものになってる事から、目立たなかった傾向もあるでしょう。
質問者からのお礼コメント
ご丁寧にありがとうございました! 他の皆さんも親切にありがとうございました!
お礼日時:2020/12/1 2:21