世界史上、最も早く「鉄砲」を実戦で運用して活躍した国や民族はどこですか?
世界史上、最も早く「鉄砲」を実戦で運用して活躍した国や民族はどこですか?
ベストアンサー
火薬も銃も中国です。しかし中国の銃は火薬で弾を飛ばすという仕組み以外、使い方も使用用途も今の銃と大きく異なるものでした。 火薬は中国で発明され、早期から使用されました。火を使う本格的な武器は、朝鮮や中国で使用された火槍(実質ロケット)や原始的な鉄砲、てつはうという榴弾も使用されました。 最初期の火薬兵器は9世紀ごろには実用化され、鉄砲の原型は中国で実用化。元帝国では大砲の原型が使用されていました。 しかしメンテナンスや量産性に優れず、音で落馬を狙った武器や、攻城の際の補助的な使用に限定され、長い間日の目をみることはありませんでした。 西欧では百年戦争で初めて鉄砲は実戦使用されました。当時の銃は大砲的な使い方で、複数人で使用し、1発撃つだけで武器が変形してしまうようなことすらあるもので、実用性はあまりありませんでした。 東欧ではやはり最初は大砲で、大小さまざまな銃砲が使用されましたが、いずれにしても備え付けで艦船や要塞を攻撃する目的で使用されました。東ローマ帝国は以前から火炎放射器を9世紀ごろから使用していましたが、銃砲は14世紀ごろからようやく導入されました。当初は大砲と銃の差は全くありませんでした(英語でGUNで銃も大砲も表すように) 東ローマ帝国は首都付近の海峡要塞に対艦砲として小型の銃に近い砲を備え付けました。銃砲が戦争を変えた初めての戦いは、東ローマ帝国に攻めたオスマン帝国が1453年に使用した大砲です。設計は東欧人の商売人によって行われましたが、東ローマ帝国が価値を見出さず資金提供をしなかったため、敵方のオスマン帝国に納品しました。大砲は無敵と言われた城塞を破壊し東ローマ帝国を滅亡させました。 その後、ロードス島の戦闘や海戦でも大砲は使用されましたが、主に攻城兵器として使われたため、大型化されがちで大砲のほうが主流でした。 1514年、世界で初めて銃の集団使用によって騎馬を圧倒したチャルディラーンの戦いが起きました。オスマン帝国は1453年に大砲を大々的に使って勝利を収めたことから、銃砲の研究が進み、大国と商業国という資本豊かな環境もあり、大量に銃砲が導入され、改良も進みました。 一方欧州の騎士の世界では、飛び道具が使用ルール違反になる場面が多く研究も使用もあまりされず、専ら攻城兵器として利用された銃砲も、16世紀に入るとハンドキャノンなどのように小型化され、反乱農民が使用するようになりました。 チャルディラーンから時をあまりおかない1524年に欧州で初めて歩兵が主要武器として銃を使用しました。ドイツ農民戦争で反乱軍がバトルワゴンとハンドキャノンを使用して騎士を撃破し、騎士の時代を終わらせると共に一気に銃の小型化や改良、量産が進みました。 農民戦争からわずか20年足らずの1543年には種子島に鉄砲が伝来するスピード感です。銃は大砲から派生してわずか50年もしないうちに世界に一気に伝播し、実用的に大進化していきました。いかに有用な兵器だったかが分かりますね。 その後欧州ではテルシオ方陣が流行って銃は一般的に使用され、新大陸も侵略していきました。明帝国も中東由来の銃を改良して自国生産が始まり、明海軍は大砲を備え付けた艦隊を使用しました。それは欧州の大航海時代より先でした。 日本では鉄砲伝来からわずか30年足らずの1575年に長篠の戦が起きており、銃の実用化はそれよりも25年以上早くから行われていました。日本でも銃は一気に改良・生産・実用が行われたのです。
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